東洋医学の実践的理論研究~人間が病むということの過程的構造からの東洋医学的治療論の研究~

人間が病むということの過程的像から、鍼灸等の問題を説いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。

すべての出来事を五行で捉えられる根本的理由〜世界は弁証法性を持つ〜

2019-09-06 07:48:44 | 覚え書(2)
すべての出来事を五行説で捉えられるのか?出来るとすればそれは何故か?

鍼灸(東洋医学)の世界の基本的なものごとの捉えかたには陰陽論のみならず「五行説」というものがある。(五行論と言わず五行説と言われているのは、現代東洋医学の世界では、五行が陰陽ほどに普遍性が無い、と思われているからであろうか)

五行説というのは、端的には、世界のすべてを「木(生)、火(長)、土(化)、金(収)、水(蔵)」の五つの性質に分けて見る、考える、扱う......である。

また、その五つは、「→木(生)→火(長)→土(化)→金(収)→水(蔵)→」と循環していくとされる。

この五行説について『旧版 東洋医学概論』では、農耕民族であった古代中国の人類が、四季の移り変わりを四つの性質として捉え返して、それが発展していっての......であると説かれてあったと思う。

また、五行穴や五臓に見るように、東洋医学には欠くべからざる理論であるにもかかわらず、全ての出来事を五行で、ということは当てはまらない場合もあるので......とも言われる。

しかしながら、世界は弁証法性を持つ、ということからすれば、その立場からすれば、世界の弁証法性=世界の持つ生成発展衰退消滅という性質を捉え返したものが五行であり、それゆえに、全ての出来事は五行で捉えることができるのだということになる、と思える。

では、東洋医学の世界で五行が当てはまらない、とされるのは何故か?

それは、五行にも二重性があるから、本来の五行と形式的に創られた五行との二重性が、と思える。
陰陽五行と日本の民俗
吉野 裕子
人文書院
五行説の学びのための一般教養としての一冊。




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