MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

「旧・東概」まとめ(14-1)〜気血津液の病理と病証、総論〜

2015-11-29 17:42:59 | 鍼灸理論・東洋医学
 「2)気・血・津液の病理と病証」では、まず総論的に、「気血津液」(=気の類。であるので以後「気の類」と表記する。)と「臓腑、器官、組織」(=形の類。であるので以後「形の類」と表記する。)との区別と連関が説かれる。加えて、そこに病が如何に関わっていくのかが、三者の区別と連関が説かれる。

 具体的には、「気の類」は人体を構成する基本物質であり、「形の類」が生理活動を行うための基礎である。とともに「気の類」は「形の類」の生理産物でもある。
 したがって、「気の類」に異常(原文では変調。以下同じ。青龍)があると「形の類」に異常が起こって行き、「形の類」の機能に異常があると「気の類」にも(生成や代謝の)異常(ここだけ、原文では不正常。青龍)が起こっていく。という形で病は生成発展していく。と説かれる。

 以上を要するに、「気の類」と「形の類」は、「気の類」が「形の類」を養い、「形の類」が「気の類」を生み出すという一体の関係にある。これが正常な人体の生理構造である。
 それゆえに、人体が病んでいく過程も、「気の類」の異常から「形の類」の異常へという道筋と「形の類」の異常から「気の類」の異常へという道筋の二つの道筋がある。かつ、その二つ道筋が重なって、相互浸透的に、悪循環となっていって病が深まっていく。と説かれている、のだと思う。

 東洋医学においては、その原点である「黄帝内経」では、病は主に、皮毛から始まって「段々に深みに入り込む」というように考えていた。(「よくわかる黄帝内経の基本としくみ」(左合昌美著 秀和システム)p.98参照)ようなので、この場合も、「気の類」の異常から病は始まり、「気の類」と「形の類」の異常から病への過程が、相互浸透的に進行していって「形の類」、特に「五臓」の異常が病にまで至ると、相当に重症と考えた。のだと思う。

 それゆえに、病を、人体の浅い段階で、「気の類」の異常の段階で見て取って対処する。ということは、特に、「五臓」にまで病が至ると対処が困難となる古代の中国にあっては、鍼灸、湯液、按摩くらいしか治療法のない時代にあっては、医者にとって必須のことであったのだと思う。

 また、「気の類」の異常を見て取るということは、現代の鍼灸師にとっても、鍼灸師の治療手段は現代でも鍼灸しかないのだから、その大事性はいかに強調しても、し過ぎることは無い。と言っていいと思う。
 
 上述のことから思うことに、現代においては、鍼灸治療は西洋医学の手に負え無いものを引き受けるという役割を負わされている一面がある。と思えるのだが、医者に見放されて?藁にもすがる思いということなのだとは思うが、その医学の性格からすれば、本来なら西洋医学でダメだから東洋医学ではなく、まず東洋医学そして西洋医学が正当な順序ではと思う。

 また、東洋医学を保険適用にし、受診しやすくすれば、医療費の大幅な削減となるのは明らか!とも思えるのだが・・・・・・。

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 本日のブログ記事、本来なら、[「旧・東概」まとめ(13-2)]とすべきなのだが、今回よりまとめかたを変えたので、[「旧・東概」まとめ(14-1)]とした。悪しからず了承ください。

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