MJHA(日本を再び健康な国に)〜東洋医学の実践的理論研究~

MJHA(日本を再び健康な国に)という志で、食・運動(姿勢)・休息(睡眠)に関わる問題等を論理的に説きます。

万年筆の調整と治療〜書き味の硬さの二重構造〜

2015-11-28 23:11:10 | 鍼灸術・手技療法術
 万年筆の書き味を調整していただいた。全ては一を実感した。

 昨日、ナガサワ文具店で万年筆の調整をしていただいた。「新しく購入した万年筆の書き味が、自身の好みの旧い万年筆よりやや硬いので、なんとかならないか?」という、ある意味無茶な注文であった。

 それに対して、二本の万年筆のインクの出具合を確認して、「書き比べると、新しい方はインクフローが少ない。インクフローが悪いとその分、無意識に筆圧を高めてしまうから、固く感じるのだと思う。」「本来、プラチナ万年筆は、新しい方がペン先が柔らかくなっているので、おそらく固く感じるのはインクフローの問題だと思う。」「また、新しいペン先は硬く感じるものだから、少しペーパーでペンポイントを擦ってやれば書き味も滑らかになる。」と解説していただき、「インクフローとペンポイントの調整をしてみましょうか?」と言われたので、お願いした。
 書き味の硬さは、ペン先自体の柔軟性の問題であるから、インクフローやペンポイントの滑らかさの調整くらいでは、ほんとんど無理だろうとの思いでいたのだが、10分ほどで調整が終わり、試し書きしてみると、随分と硬い感じが柔らいで、自身の感覚としては許容範囲となった。

 これは、書き味の硬さの二重構造に分け入ることでの、ペン先自体の直接の書き味の硬さとインクフローやペンポイントの滑らかさによる媒介的な書き味の硬さをしっかりと区別して、かつ、インクフローやペンポイントの形状が、書き味に如何に関わるのかの過程的構造に分け入っての、直接は解決できないペン先の硬さの問題をインクフローとペンポイントの形状を媒介とすることで解決するという否定の否定的な、対象の構造に分け入っての、見事なアタマの働きの故の万年筆調整である。と思えた。

 昨日のナガサワ文具店万年筆コーナーの店員氏のアタマの働かせ方を視ると、自身の手技の施術のありかたにも同じことがあるなあ。と思えた。

 例えば、膝関節症で膝の軟骨がすり減ってしまっている患者の「膝が痛い!」という訴えに対する施術。この場合、本来、軟骨がすり減ったこと自体による痛みならば軟骨を修復しなければ治らない。はずである。「これは、オペしないと無理ですね!」ということになる。

 しかしながら。西洋医学のお医者さんのみの病院ではそうであっても、通常の鍼灸院とか整骨院とかでは<痛み・症状の二重構造>に立ち入って、「軟骨がすり減っての痛みそのものは軟骨自体を修復するとかの、オペによらないとどうしようもないけれども、本来、軟骨がすり減って痛いといった場合には、二重構造がある。と考えるべきである。

 一つは軟骨がすり減ったこと自体による痛み。
 もう一つは、軟骨がすり減ったことによって、それにともなって生じる筋緊張、関節の微妙なズレ、神経の働きが乱されること等の歪みやその歪みによって歪まされる部位の、筋緊張、関節の微妙なズレ、神経の働きが乱されること等による痛み。であるから、軟骨がすり減ったこと自体による痛みは、手技では直接的には、どうしようもないけれども、それに伴う痛みは、施術によって、相当程度に軽減されることが多いので、そういう施術(治療と言いたいのだが、法律的に我々柔整師や鍼灸師は、治療という言葉は使えないことになっている。らしい)をしていきましょう。」ということになる。と。


 上が以前から使っている万年筆、下が新しく購入した万年筆。

 ボールペンの登場で一般的に筆圧が上がって、それに合わせる形で万年筆の書き味も硬くなっていったと聞いていたのだが、プラチナ万年筆は逆らしい。

 現代では、万年筆を使ったことがない世代が大多数、40代くらいでもそう、であるので、うっかり万年筆を貸してボールペンのような扱いをされると、ペン先がズレるのではとヒヤヒヤする。



 
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