睡眠について考えている。人間が生きるということに関わる基本的なところの概念化くらいは、せめてと思う。
昨夜は寝つきが悪く、眠りについたのは1時過ぎであったろうか ?寝付けないので「睡眠とは何なのか?」 と考え出すと、余計に眠らないということになってしまったのだが......。
現在のクリニックに勤め出して、眠ることができずに睡眠薬のお世話になっている患者の多いことに驚かされている。
生きている限りは、眠らないわけはないのだから、眠らないことには生きていけないのだから、必ず眠っているはずとは思うものの......。
では、何故に眠れないのか?不眠とは何か?そもそも眠るとは何なのか?(論理的な順序として、睡眠とは何か?が分からなくて、不眠とは何か?は出てこない、出てきてはいけない)と改めて考えてみると、「運動と休息」「健康の3本柱食・運動・睡眠」「レム睡眠とノンレム睡眠」......等々と、知識的にはあれこれ浮かんでくるものの、その中身は何もない(というか、少しもそれらは概念化されていない)ということに気づかされる。
今朝起きだして、睡眠について先人はいかに捉えていたのかを知りたくて、少し調べてみると、(こういう時にネット検索は便利である。)アリストテレスは『睡眠と覚醒について』という小論を書いているようである。
また、瀬江先生は『脳の話』を、南郷先生は、『夢講義』『夢哲学原論[綱要]』を書かれているから、そこで睡眠について何かしら説かれて(解かれて)いた、と記憶している。これらには一度(再度 ?) 当たっておきたい。
<生命の歴史>に尋ねれば、「睡眠」というものも、最初からあったわけではなしに、生命の発展のある段階で必要があるから誕生したもの、睡眠と覚醒への二重化したもの、であるのだから、そこには何らかの必要性、必然性があったのだ、と思える。
人間は眠るのはが当たり前として、自明のこととして済ますのではなくて、しっかりと概念化してみたい。それは自身の専門である、人間が生きるということの基本的なもの、でもあるのだから。