高科正信先生の3回目の授業は「鬼の絵本」がテーマでした。
はじめに最近、夢枕獏編著の『鬼譚』が出版されて、その中からの興味深いお話です。
平安京は、四方を中国の象徴的な動物に守護されている空間だそうです。
四神相応の図
玄武・白虎・青龍・朱雀の動物に守られていて、この四つの動物は平安時代の色を表していたそうです。
玄武→くろ
白虎→しろ
青龍→あお
朱雀→あか
平安時代までは、この四つの色以外の名称は無かったそうです。
この四つの色には全て最後に「い」を付けて表現されますが、それ以外の色には「い」が付かないのです。
例えば「あかい」とは言いますが「みどりい」とは言いません。
色の名称にこんな話があるとは、奥深いお話でした。
ではそろそろ、鬼の絵本の話に入りましょう。
昔話にはよく鬼が出てきます。鬼が出てくる絵本も沢山あります。
その中から鬼の絵本を紹介していただきました。
『だいくとおにろく』 絵・赤羽末吉 作・松井直
『島ひきおに』 絵・梶山俊夫 作・山下明生
『ゆきんこんこん物語』絵・井上洋介 作・さねとうあきら
『おにひめさま』 絵・井上洋介 作・さねとうあきら
『島ひきおに』のように、人を信じて仲良くなりたいと思う鬼に対して、
人間は鬼は悪い者という先入観があり、鬼から逃げていく。
『おにひめさま』のように、本当の鬼は姫であった。
ここで紹介された絵本でも分かるように、人間の中にある悪を鬼として書いています。
鬼は人の心に巣くうもので、人間の暗の部分、それが鬼の正体なのですね。
最後に、高科先生の大好きな絵本『トリゴラス』長谷川集平 を紹介されました。
鬼ではないのですが、『トリゴラス』では、少年の心の中の想像が怪獣を作り出しています。
次回の課題です。
テーマ「わたしの秋」 11月5日に提出
絵本のテキストではなく、自由に書いて下さい。
枚数も自由です。