松田素子さんの授業は年に2回ですので、ダミー本を見ていただける授業はとても貴重です。
本日は絵話塾卒業生(5期生)の やまもとさとこ さんがBL出版から絵本が出版されるとのことで、やまもとさとこさんに出版までの苦労話を聞かせていただきました。
3月1日発売の『わたしはかこちゃん』がこちらの絵本です。編集は松田素子さんです。
松田素子さんは「昔からあったような絵本。最近では一発ギャグ的な絵本が多いが『わたしはかこちゃん』のようなシンプルな絵本をつくりたかった」と、おっしゃっていました。
内容は、かこちゃんの頭に蝶々が止まり、そうするとかこちゃんはたんぽぽになります。かこちゃんは木になり風になり雲になり、雨になってお母さんの傘の上におちてくる。というお話。
読んでいると、ワクワクしたり不安になったり、最後はホッとしてお母さんが恋しくなる絵本です。やまもとさんんの優しさが溢れています。
やまもとさんに何冊かのダミー本を見せていただきました。
2012年からダミー本を制作して20冊になっていたそうです。
初めのタイトルは『ちょっとひとやすみ』で、電車やボートまでが登場する賑やかなお話でした。
ダミー本を制作するうちに話が大きくなりすぎて、松田さんからは3回の授業で同じコメントをいただき、やまもとさんもどうしたらいいのか迷走に入っていったそうです。
賑やかなお話からシンプルになったのは、元々自分はシンプルなお話をつくりたかったので、余計な部分をそぎ落として、最後はシンプルになった。と、やまもとさん。
「初めに考えた話を思い切って変えてしまうのは勇気がいりますがなぜ変えれたのですか」という質問に「アドバイスをストンと理解して、それを修正する能力があると成長していくのだと思います」と、おっしゃっていました。
松田さんも「才能は選択する力」といつもおっしゃっています。どう選択するかはその人のセンスなのですね。
後半は、皆さんのダミー本を発表して講評をいただきました。
松田さんからのアドバイスは、
・文章は説明だけではなく問いかけて「~と思う?」というように、読者に入ってきてもらうようにしないといけない。
・絵本は何で?どうして?と、読者が思うことで、その答えを解くことをちゃんとしないといけない。
・作品の根っこになる部分が大事。日常から物に対して、デリケートで丁寧に付き合う。
・絵本の中では何が起こってもいいけれど、それまでの過程が大事。
・「ありえない!」と、思うと読者は引く(離れる)が、「えっ、ありえるかも!」と、思うと読者は入り込む。
一時間半の延長で授業は終わりました。
今期の松田素子さんの授業は終わりですが、スポット受講も出来ますので、また来期の授業に向けて、ダミー本の制作を頑張ってください。
◎ただいま2016年度「絵話塾」の生徒を募集しています。
授業始まりは2016年6月の予定です。
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