やまめの庭つくり

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旧吉田茂邸 その1

2010-09-21 | 庭園見学
日曜日に大磯の旧吉田茂邸に行ってきました.

日本造園学会関東支部主催「第9回関東地域の造園遺産見学会」に師匠のお誘いでねこまたさんと特別参加です.

参加者は日本造園学会のメンバーの他,大磯ガイドボランティア協会の方々や公園化計画に携わっている野村勘治さん,Hさんなど.


昨年2009年3月22日に,原因不明の出火により本邸は消失してしまいましたが・・・

師匠の師匠,造園家「中島健」の作品を見られるし,政界の大物だった吉田茂が晩年過ごした場所ってどんな感じなのかなぁ~くらいの気持ちで参加してみました.

しかし参加してみて,この見学会には以下の重要なポイントがあることがわかりました.


・中島健という造園家の仕事(これはモチロン).

・吉田茂という政治家と人間性と庭の関係.

・個人のキャラクターや生活感を偲ぶ事が出来るような歴史,文化の伝承としての都市公園のあり方について


まず木陰のせいでとても涼しい入り口の門を入り,



駐車場,バラ園跡を通り過ぎるとバリケードで覆われた兜門があらわれます.

down本邸消失前の昔の写真.門の上には松の枝が伸びているように見えます.



down現在の門.植生が変わっているようにも見えます.



down兜門のモデルになったと思われる裏千家今日庵の兜門.そっくりですね.




建物が焼失してしまい,その後放置されたため植栽が荒れてしまったり,樹木が大きくなってしまって作庭当初とはかなり鬱蒼としているようでした.


玄関への緩やかな敷石のカーブ.



up現在の様子.建物がないのでわかりにくいですが,たぶん,建物があったとしてもこの状態では見る事はできなさそうです.



up地形も建物も見通す事が出来,あっさりさっぱり気持ちの良いアプローチ.
(大磯町旧吉田邸再建基金パンフレットより)

敷石の園路の緩やかなカーブ,土地の緩やかな線が見えるところ・・・ここらあたりが中島健らしさ,といえるところだそうです.

また,日本庭園に花の色・美しさを導入した造園家でもあり,この作庭当時は本格的に目覚める前だったらしいのですが,当時この芝生にパンジーを植えたそうです.

その結果,中島健も吉田茂もパンジーはいまいち・・・・ということで結局はとってしまったとかalien

物事には何でもこなれていない時期があり,始まりがあるという面白いエピソードですね.


この緩やかな坂を上ると総檜作りの近代数寄屋風建築があるはずだったのですが・・・

無惨な焼け跡しか残っていませんでしたyellow13





建物の二階から上ってきた道を見降ろすと,手前に庭園,池,そしてエノキ(下の写真中央の木)の向こうに富士山が見えたそうで,吉田茂の最もお気に入りの絶景スポットだったということです.




つまり,ここのテーマは作られた庭ではなく,大きなスケールの景色を楽しむための庭ということになるのです.

今は池も見えず,まわりの樹木ももさもさで遠景が見えなくなっていますが,公園整備を進めていく時に重要な視軸として意識されることになるようです.



まだまだつづく・・・



銀座テラス

2010-09-19 | 庭園見学
金曜日にリニューアルオープンした銀座三越の屋上庭園を見学してきました.

銀座テラスと名付けられたウッドデッキと芝がメインの庭園は9階までエレベーターで上がっていくとすぐ目の前にガラス張りの通路があり,芝が広がっている景色が見えます.



このテラスガーデンは600㎡の広さだそうです.

神社や小さな農園も作ったらしいです.

早速庭園見学をしましょう~

まずは9階からエスカレーターでその上の10階に行き,テラスから俯瞰してみます.



手前のデッキには全農経営のレストランカフェのお客さんがくつろぐスペース.

あっ,でも,ひょっとしたら休憩したいだけの人も座れるかもしれません.

確認していないのであしからず.

芝の中に3本の直線に並んだ敷石・・・・

これは,よくわかりません.

ただの芝広場より変化をつけたかった,ということなのか・・・




目の前には空,芝,ウッドデッキの園路,そして遠くに植栽の緑.

実にシンプルな光景が広がっています.



逆から見たところ.

本当に広場のようにスカーーンと,抜けている空間です.

上の画像の壁面緑化の足元はdown意外とこの程度のコンテナに植えられているゴーヤとヘチマです.

コンテナの数は5~6個くらいだったような・・・



たったこれだけで広い壁面を覆い尽くす事が出来るんですね~yellow25

肥料とかをたっぷりやっているのでしょうか.

すごいなぁと思いました.

晩秋に枯れ込んだら今度は何になるんでしょう?

ツタだったらいけなかったのかな.

農園があるくらいだから食べ物に特化していたのかな・・・



植栽はまだまだ植え付けたばかりのようで,樹木はガーデンショーのように根元が盛り上がり,芝マットでかくしてあります.

灌水ホースもよくわかりますね.

植栽は奇をてらわず,シンプルで強そうなものを中心に計画されているようです.



農園,といってもこじんまりしたものですが,子供達と野菜の栽培,収穫などを行ったりするらしいです.

場所は俯瞰図でいうと,左奥,若干日当たりが悪そうな場所です.

野菜には日当たり命だと思うのですが,ここは大丈夫なんでしょうか?



テラスの横には目立たないように緑で囲われた空間が.

ここには明治時代から昭和の戦前まで,銀座の商店街賑やかな頃の面影を伝える出世地蔵尊が祀られています.



大きなお地蔵さんは化身で,ご本尊は右手の小さな祠堂の中に祀られているそうです.

受付でこの銀座テラスのことを尋ねた時に,受付のお姉さんが「お地蔵様も9階のテラスにお祀りされていますよ」と言っていたのですが,このお地蔵様目当てにここを訪れるお客さんも多いという事なんでしょうか???



全体的に庭園に構造物がなくてシンプルなせいか,周りに高い建物も見えないせいか,広々して気持ちがいい空間でした.

9階のデパートのフロア自体が天井が高く,ゆったりしていて座るところがたくさんあり,気持ちいいのですが,それが屋上庭園までつながっている感じがしました.

植栽についてはこれもシンプルですが,刈り込みに耐えるものも多く植えられているので,一年くらい経つと全容がはっきりしてくるのでしょう.

屋上庭園といえば新宿丸井の英国風庭園を思い出しましたが,あちらは植栽やガーデンファニチャー,アーチ,パーゴラなどひととおり揃って,色々な場所にアイストップがありましたが,ここは何もないです.

ただ,園路のゆったりとした曲線とほんの少しの高低差が景色に変化をつけ,高い空と対をなしています.

それが狙いなのでは・・・

あと,排気口など無粋なものは目に入らないように隠してあるので,庭園だけが見えるようにちゃんと気を使われていると思いました.

ゆったり日陰のテラスにすわってガーデンを眺める人,ノンビリウッドデッキの園路を歩く人,芝の中でよちよち歩く子供とお母さん・・・

人がそこにいることで景色が完成される,都会の庭です.





料理用のリンゴ

2010-09-16 | ノンジャンル
昨日,珍しいリンゴをもらいました.

品種名は‘ブラムリー’.

意外と大きな緑のリンゴです.



イギリスでは「クッキングアップル」という,料理用のリンゴのジャンルがあり,日本では生で食べるものが主ですが,スープからメインディッシュ,デザート,お酒まで加工され,日常生活と切っても切れない関係のようです.

そのイギリスでの料理用リンゴの45%を‘ブラムリー’が占めているそうです.

2009年にイギリスで誕生200年の祝賀行事が行われ,日本には導入されてから20年になろうとしているとのことです.

そもそもこのリンゴが日本に導入されるキッカケになったのは1985年計画中の赤城自然園のコンサルティングを英国王立園芸教会(RHS)に依頼した縁で日本支部が設立され,交流する中でリンゴの食文化の違いに驚いた理事長が,日本でも料理用リンゴを導入しようと活躍したことから今にいたっています.

ということは,何となく赤城つながりで師匠も縁がどこかでつながっているような・・・question


導入した先は長野県小布施町.

ここは栗がとても有名で,やまめにとっては絶品栗きんとんの町,なんですがsymbol4

クリ畑の周りにはフジリンゴと思っていたらブラムリー畑も広がってきていたようです.


イギリスからプレゼントされた穂木を2件の農家が試行錯誤して栽培し,少しずつ生産量を増やしていったそうです.

高級果物専門店,新宿高野が取り上げてくれてからは需要がアップし,有名になっていったという経緯があるようです.

知らなかったなぁ.  

この料理用リンゴ,日本のリンゴとどう違うのかというと,生ではかなり酸味が強い・・・らしい.

酸っぱいのが苦手なので,やまめは生では食べません.

室温に放置しておくとすぐに柔らかくなってしまうそうなので,レシピブックに書いてあったとおり,一日ずつラップに包んでビニールに入れ冷蔵庫に.

こうしておくと年末まで保つそうです.



(upRHSJキッチンガーデンクラブの有志の方達作成)

豚肉と炒めたり,煮たり,お菓子(特にアップルパイ)やジャムにしたり・・・

アップルパイにすると,日本のリンゴと違ってとろとろにやわらかくなるそうで,カスタードクリームとの相性が抜群らしいですね.

そういえば海外のアップルパイって,どうしてこんなにリンゴが柔らかいんだろう・・・と思っていました.

そもそもリンゴが熱で軽くとろけてしまう品種なんですね.

日本のリンゴは煮ても形がくずれませんよね.

いつだったかカレーに一口大に切ったリンゴを入れてみた事があったんですんが,ジャガイモかと思って食べた家族からクレームの嵐が巻き起こったものです・・・alienase2


これがブラムリーだったら絶対ばれなかったという事ですね.

特にジャムは,あっという間に柔らかくなるらしいのでレンジでもOKということです.



やまめは・・・

2個をジャムにして,1個は豚肉と炒めてみようかな・・・


作ったらまたブログにアップします!




秋のバラ

2010-09-14 | ガーデニング
今日は秋の気候・・・とお天気ニュースで言われても,やっぱり30℃は涼しくないです!yellow22

35℃とかの猛暑に慣れてしまったせいか,30℃というと「涼しいかも」と考えてしまう条件反射が出来上がったような気がしますけれども.

さて,30℃を越える日が続いたため,蚊の卵や幼虫が死んで蚊の発生が少なくなったと新聞に出ていましたが,やまめの庭ではまったく例年通りでしたね.

水やりのたびに10箇所は喰われました・・・

ただ,チュウレンジハバチ,ウドンコ病や黒星病は今までで一番発生が少なく,バラにとっては結構いい季候だったのかもしれません.

いつもは夏に葉をたくさん落としてしまうのですが,ほとんどの株が良い状態で残っていて,成長を続けていました.

そのせいか,花もポツポツ咲き出しています.

やっと念願の秋バラを楽しめる日が訪れそうです.





up来年に向けてシュートを真っ直ぐ上に伸ばし続けているデンティベス.

もう少し伸びたらカーボネートの屋根に誘引して来年はアーチにしてみたいと思っています.




upたくさんの花が咲くスノーグース.

花が小さいのでわりと地味にかわいいのですが,秋には実が楽しめるはずkirakira2

真っ赤にはならないらしいですが,楽しみに観察しようと思います.




四角い花束

2010-09-11 | フラワーアレンジメント
kirakira2先日,フラワーアレンジメントのお稽古日でした.

スパイラルブーケですが,丸ではなく,ホライズンブーケ,つまり,縦も横も細長くて四角いブーケを作りました.

普通にスパイラルを作ると自然に丸くなってしまいますが,四角い枠を作る事で平べったい花束をし来る事が出来ます.



その枠をブーケの元になるグリーンの上に載せて骨格の完成.



あとは普通のスパイラルよりラクに植物を組んでいく事が出来,植物にとっても茎をつぶされる事が少ないので長持ちするそうです.

ローラン先生の作ったブーケは見事に四角くなりました.








downちなみにやまめの作品はこれ.

ちょっと裏表ができてしまったと注意を受けましたが,何とか完成.

四角に出来るものなんですね・・・