やまめの庭つくり

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清明上河図

2012-01-15 | 造園
土曜日に上野の東京国立博物館で開催されている「北京故宮博物院200選」を見に行きました.

正しくは,その中でも今月24日までしか見られないという,「神品 清明上河図」を見るために,です.はい.

この絵についての詳細な説明は東京国立博物館の公式HPをご覧ください.

とにかく中国の人でもなかなか見られない貴重な絵を国外初,日本で展示されるということで,かなりの人出が予想されましたので,開館前に到着するようにしたのですが,すでにこの通りdownnose4


1000人くらいいるのかなぁ~



開館10分前くらいに列がかなり動いたので「おっ,もしや早めに開館してくれるとか??」と,期待したのですが,そんなに甘くはありません.

建物の前で4人一組に整列して蛇腹上に並ばされるとこの行列が一気に建物と広場の間のスペースに凝縮されました.

初詣みたいなにぎわいですyellow22

2時間くらい外で待つことになるのかなぁ・・・

いや~な予感が.



と,よく見るとこんなところからもあのツリーがyellow18kirakira2

何となく得したような気持ちになるのは何故なんでしょうね.



結局外で1時間半,建物に入って1階から2階の会場入口にたどり着くまでに3時間,入ってから肝心の清明上河図を見るまで更に30分かかりました.

頑張りましたよ~

何故こんなにかかったかというと,清明上河図は,縦24センチ,横5メートルくらいの巻物を平置きしてガラスケースの中に入っているのですが,ここに770人以上の人間やたくさんの動物,建物,船などが事細かに書かれている細密な絵なので,ガラスケースをのぞき込んで一番前で見たい人のための列だからなんです.

もう,こんな絵は直に見なくてもいいや,拡大して説明されているビデオは見られるし.

という人は入館だけは一度に入れる人数制限があって時間がかかりますが,その後は比較的自由にゆったりと故宮博物院の宝物を見ることが出来ると思います.

さて,やまめはというと,こんなに苦労してたどり着いた絵なのに,まじまじと隅から隅まで堪能することはできず,後ろに控える係員の「横の人と間を開けないでください」「立ち止まらないでください」という声に気が散って,となりのおばさんも密着してぐいぐい押してくるし・・・hamanger

結局5,6分見られたかどうか・・・

あぁ,もっとじっくり見たかったーーーーyellow9symbol5symbol5

でも,ここでもわかったことがあります.

やっぱり実物は,写真やビデオじゃ表現出来ない迫力を持っています.

ポスターなどでは古くて薄汚れ,全体的に暗い感じもしていたのですが,実物はもっとクリアで,線もはっきりしています.

この目で見なければわからないままでした.

ものすごく拡大されたビデオでも細かな描写の伸びやかな筆遣いがわかるのですが,原本を見ると,全体の線の勢いやリズムが伝わってきます.

樹木(樹種は主にヤナギの一種と,時々タケ)もたくさん書かれていましたが,一本一本,幹の様子や枝振り等の表現が異なっています.

水が景色をリズミカルに展開していく重要な要素で,細かく描かれる人々の様子がそれにあわせて躍動感を感じさせてくれます.

一人一人の仕草や表情,ポーズなど,全部違っているし,どれも丁寧に描かれています.

建物と船はかなり細かい上に描写も正確で,この絵を見て船を実際に再現して造ってみた人もいたようです.

これを描いた人は船が好きだったんじゃないかな~と思いました.
ヤケに細かく描いてあるし,ちょっとオタクっぽいにおいがしました.

いえ,技量のある画家は誰でもこのように描けるのかも知れませんが,何となくそう感じただけです.


とにかく.

9時半前から並んで見終わったのは13時過ぎ.

こうして頑張ったのもいい思い出になることでしょう・・・yellow3


本物を見ることの大切さ,感じることが出来て良かったです.


この絵を見終わったら,もう帰ってもいい気がしたのですが,せっかくだからサラッと故宮博物院200選の内,並ばないで見られそうなもの(ほとんどですけど),文書ではなく宝物や皇帝の衣服,再現された書斎など,メインの展示物もガッツリ見て帰りましたyellow24symbol5




ラセイタソウ

2012-01-11 | 植物
鎌倉の民家の壁沿いで見かけました.



ラセイタソウ(羅背板草)

イラクサ科カラムシ属

学名:Boehmeria biloba

北海道南部から紀伊半島までの太平洋岸に分布する多年草.海岸の岩場、崖地などに生育する.葉が厚く縮緬状になっているのはこの厳しい環境で水分を確保をするためか.強風に耐えるため茎も短い.

・・・ようするに,海岸沿いで生き残るために進化してきた植物です.

厚手でごわごわして、粗い毛を密生する葉の質感をポルトガル語でラセイタraxetaとよぶ羅紗(らしゃ)に似た毛織物に例えたことからこの名がついたそうです.

なるほど~ham





これもスタバ

2012-01-10 | 造園
鎌倉駅の江ノ電側に出てまっすぐ5分くらい行くと右側にスターバックスがあります.

外観は黒っぽい焦げ茶の木造風で,軒が大きく張り出して,入口はカフェらしく大きなガラスの壁です.



横に廻ると店からテラスに直接出られ,外でお茶出来るスペースになっています.

何だか暗い感じがしてしまうほど,シンプルな光景です.



でもこんなところに座ってお茶出来るようになっているなんて,のんびり出来ていいかも.

ここに椅子やテーブルがあるよりもゆったりとくつろげるし,店内から景色を見る際に外のお客さんが気にならない高さであり,もしかしたらその姿も風景の一部として認識出来るのかも知れません.



学校の校庭にあるような藤棚と青くて四角いプールが,何ともノスタルジックな光景を演出しています.

藤棚のフジは,かなりの古木と見受けました.

右側にはサクラがプールに向かって枝を伸ばしています.

そのサクラの枝先から塀の向こうのサクラに向かって景色が続いていきます.



壁に囲まれて外から遮断した空間にせず,あえてその向こうの景色も取り入れ,連続した空間になるように計算されているのでしょう.

そして大きく張り出している軒がぐっと景色を引き締め,内と外の中間にあたる屋内のような外の空間を生み出していると思います.

暗がりから明るい光に満ちた空間を望むような気持ちになります.



ちなみにテラスのマル座布団に座って見える景色はこんな感じ.

軒はまったく視界に入らないため明るい日差しのただ中に座っているんだな・・と思います.

目線も低くなるのでプールと板塀に視線がひきつけられます.

軒がないと景色に奥行きが感じられないんだなぁと思います.

遠近法の効果ですよね.





ブリューゲルの動く絵

2012-01-09 | ノンジャンル
今日は横浜の京急線黄金町から徒歩5分のところにあるシネマジャック&ベティという映画館に行きました.

2日前に新聞広告に出ていた「ブリューゲルの動く絵」という映画を見るために.

こういうミニシアターは久しぶりです.

ブリューゲルも名画「十字架を背負うキリスト」も知らなかったのですが,中世のヨーロッパを舞台にファンタジックな物語が見られるのかなと単純に考えて出かけました.



朝10時半,マンションのようなビルの急な階段を上がったところにチケット売り場の小さなカウンターがあります.



一番乗りだったのでここんな椅子に座ってチラシなんか手にしてみます.



何だか小劇場に来たような錯覚に陥りました.

お芝居だとよくこんな雰囲気の劇場に行ったことがありますが,最近の映画館にはないレトロ感がたまりません.

そして,ひなびているのかといったら全然逆で,上映中の作品もこれからの予定もかなりたくさん紹介していこうという気概がすごい.

映画を通して文化を発信していく基地としての役割を意識しているんだなぁ・・・・と思いました.



確かジャックと呼ばれる方は旧名作を上映し,ベティは新作ミニシアターとして役割分担されていたような気がします.

飲み物は自動販売機ですが,軽食は手作り風のサンドイッチなどが売られていました.

ブランケットの貸し出しもありました.



何といっても映画のチラシが多様であきません.

これから何をやるのかなぁと思ってみていたら,京都の宮大工,西岡常一氏のドキュメンタリー映画「鬼に訊け」を2月以降にやるそうです.

うわ~yellow18symbol5

これは是非見なければ・・・yellow24


ところで,見に行った映画,「ブリューゲル・・・」ですが,お話としては「?????」というところですが,不思議な世界であることは間違いありませんでした.

16世紀(ブリューゲルも16世紀のネーデネラントの大画家)のフランドル地方(ベルギー北部)を舞台にくり返される農村の日常と風習がリアルに描かれ,のどかな生活がある反面,支配者によって情け容赦なく行われる異端者の処刑(村のはずれで磔とか生き埋め,鞭打ち)なども同じ日常として重なっている世界.

そこからインスパイアされた画家が聖書の物語とフランドルの風習をミックスして名画を完成させる・・・

という,あらすじのような気がしていますが,途中から時間軸が訳わからなくなってしまったので,ここで説明してもしかたがないですね.

が,この16世紀のベルギーといいつつたぶん他のヨーロッパ地方でも似たような農村生活だったんだろうなぁ・・・という描写がハンパなくすごいです.

きっとこうだったんだろうな.と信じてしまいます.

服装,朝起きてからの食事,家畜との関係,家族の様子,村の生活・・・

ほとんど台詞がない映画の中,動物の鳴き声,樹が倒れる音,ウマのひづめ,風の音,ドアをたたく音・・・

においさえ想像してしまいそうなリアルな表現.

アメリカ映画とは全く違う味わいがあります.
さすが,です.

これからこの時代の風俗を描いたものを見聞きしたときにこの映画の中で動いていた人や動物,明かりがほとんど無く暗い家の中での日常生活等々,思い出すことでしょう.

ひとつの出会いをしたなぁと感じた映画でした.



鎌倉で新年会♪

2012-01-08 | ノンジャンル
鎌倉の古民家レストランwatabeで師匠とあやめさんの3人で新年会をしました.

場所は江ノ電長谷駅のすぐ近く.

何と江ノ電の線路を横切って敷地に入るのですyellow25ase2



レストランの目の前はただ線路が横たわっているだけ.

近くで踏切の警報が鳴っていても,電車の気配が無いので,線路を渡ることに夢中になっていたら,

「こらーーーーっっっanger
危ないから渡らないようにーーっっangeranger

どこかから大音声の怒声・・・・ase

きょろきょろして,後ろを振り返ると数10メートル離れた駅から駅員さんが大声で怒鳴っているのでした.

渡りかけの二人は,もちろん,そそくさと渡りきりました.



前庭を抜けて門をくぐり,更に庭の敷石の上を進むと築70年以上の家が現れました.

引き戸を開けてお店の方が迎えてくれました.

やまめたちは一番乗りだったので,一番奥の縁側にあたる日差したっぷりの席に.

白い塗り壁や建て付けの雰囲気が以前行った鎌倉のレストラン「テロワール」に似ているなぁと思いました.



ランチはコースと一品料理がありますが,今日はみんなでBコースfork

前菜盛り合わせ,ポタージュスープ,メインはお魚かお肉,デザート,コーヒーor紅茶.

師匠とあやめさんはお魚でしたが,やまめは豚肉のロースト,トマトソースがけにしてみました.

お魚料理もそうでしたが,お肉の周りにはたくさんの野菜.



鎌倉野菜を積極的にふんだんに使われているそうです.

中でもにんじんがものすごく美味でした.

色が濃くて,甘くてほくほく.ちょっとお芋っぽかったです.

お肉はもちろんうまみがぎゅーーーっと詰まっていておいしかったですheart



お庭の樹木はマツやツバキを中心としてよく手入れされています.

ただ,季節柄芝も枯れて足下が茶色なので何となく寂しい庭になっていました.

門からお店までのアプローチは自然石の大きな飛び石で誘導したり,殺風景な万年塀のあたりに植栽をして見えなくしたり,お客さんが歩く場所の近くには季節の草花が控えめに咲いていてお出迎え・・・とか.

こんなプランでお庭の改修をお勧めしたい・・・yellow22



ちなみに門の外,江ノ電線路近くまでは当初の民家のときの敷石あとが残っています.

鎌倉石という柔らかい素材で出来ていて遺構のようです.

四角い切石なんてやめてこのままの雰囲気を活かして石畳で建物まで続くのも素敵.