枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

斑鳩の法隆寺、その2 東院伽藍(東大門から夢殿へ)

2009-07-22 | 古い神社や寺で
           西院伽藍と並んで法隆寺の中核を為すのは、境内の最東端、東院伽藍です。
          東大門を通り長い石畳の道を経て、その中心夢殿を拝します。
          聖徳太子一族の住居であったと伝える斑鳩宮の跡に、天平11年(739)建てられた八角
          円堂。いつのころからか、夢殿とよばれるようになったようです。
          お堂の周りをゆっくり回ります。その微妙な角度をもつ壁を伝う感覚は、不思議な夢の世界
          に導かれる思いです。
          夢殿の厨子の中にはあの救世観音が安置されています。(春秋年2回のみの開帳)
          救世観音と言えば、思い出される話・・

          明治初年の廃仏毀釈を憂い、日本の文化、美術の保護に立ちあがった米人美術研究家
          フェノロサ。この夢殿の中に木綿の布を幾重にも巻かれて千年の時を眠る「絶対秘仏」が
          あると・・。政府の許可証を掲げて「鍵を開けてください」と迫るフェノロサ。恐怖のあまり逃げ
          去っていった僧侶達。そんな中で450mもあったという布の最後の一片が取り払われた
          あとに現れた不思議な微笑みを湛えた菩薩「救世観音」。
          明治17年、この世界にも比類のない彫像の再出現の話。けっこう有名ですよね。

          夢殿のあと、その東隣、中宮寺に参り、あの懐かしい弥勒菩薩(寺伝如意輪観音)を拝し
          ました。南大門への長い石の道を戻りながら思ったこと・・。
          この華麗で壮大な伽藍と仏。法隆寺は現代に生きる寺というよりも、日本の寺院の、文化
          のひとつの大きな幹の発祥の地だという印象がするのです。