枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

紀州の山里に・・長保寺(1) 山門から境内へ

2014-03-08 | 古い神社や寺で
          和歌山県海南市の南、古の熊野詣の道、熊野古道にも近い山里に、
          慶徳山長保寺(ちょうほうじ) (天台宗)があります。
          平安時代中期の長保2年(1000)、今よりやや西方の地に創建されたと伝えられます。
          鎌倉時代末期に今の地に移り、当時から南北朝時代にかけて建立された本堂、
          多宝塔、山門(大門)が6、700年の時を越えて健在。いずれも国宝に指定されています。
          江戸時代、紀州徳川藩はこの寺を菩提寺と定め、厚く保護しました。境内の山裾は、
          藩主墓所としては日本最大と言われる徳川家墓所に占められています。

          JR紀勢本線、下津駅から約2k。バスもタクシーもありませんから、車が無ければ
          歩くしかありません。山里の道を行くと山裾に塔やお堂の屋根が見えてきます。
          道を曲がれば、正面に圧倒されるような山門が迫ります。
          一般に「大門」と呼ばれますが、門の構造上からは楼門、あるいは仁王門でしょうか。
          嘉慶2年(1388)の再建。三間一戸楼門、入母屋造、本瓦葺、正面左右に金剛力士が立ちます。
          1階2階とも組物は三手先。2階部分は尾垂木が入り、それが門全体の壮大さを強調しているようです。
          和様を基調とし、要所に禅宗様の木鼻を配した南北朝期の特徴を持つと言われます。
          内部の小組格天井や透彫の彫刻も風格を醸し出しているように思えます。

          大門を出て長い参道を進むと、荒い割石の石段。    さて、次回は石段を上って本堂へ、そして・・