枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

古き禅堂の面影・・善福寺釈迦堂

2014-04-01 | 古い神社や寺で
          鎌倉時代の建保2年(1214)、栄西がこの地に宝遊山広福禅寺を創建。
          その後、真言宗、天台宗と宗派が変わり、今は釈迦堂として一棟のみが残る寺となりました。
          この建物は1327頃の建立と見られ、鎌倉時代後期の禅宗様式の典型的な仏堂と
          言われます。桁行3間、梁間3間、裳階(もこし)付き、寄棟造、本瓦葺。

          この地は、JR紀勢本線加茂郷駅の東方2.5kほど。私は物好きですから、
          海南市街から熊野古道(紀伊路)の藤白(ふじしろ)坂を上り、山上の地蔵峰寺におまいり
          して、山を下って県道を経由する道を選びました。善福寺まで7、8kというところでしょうか。
          静かな山麓の集落の中、白壁に囲まれた寺の屋根が見えてきます。
          短い石段を上ると、狭い敷地に眼前一杯のお堂。
          正面から見上げた時、私の頭のなかにある代表的な禅宗様のお堂(例えば、
          正福寺地蔵堂(東京東村山)、功山寺仏殿(山口長府)など)と、随分異なる印象を受けるのです。
          それは、これらのお堂が檜皮葺、入母屋造であるのに対し、
          目の前のお堂が本瓦葺、寄棟造であることに拠っているようです。
          近ずけば、藁座付の桟唐戸、格子戸、木製の礎盤を介して自然石礎石にのる柱、堅板壁。
          いずれも入念な補修、管理のもと、古さを感じさせない見事なものです。
          ただ・・私はこのお堂から、一面識、人を寄せ付けない厳しさのようなものを感じたこと・・ 
          加茂郷駅に向う道すがら、そのことを思い返していました。