枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

極彩の御堂のなかに  奈良西ノ京 薬師寺

2014-04-13 | 古い神社や寺で
          平城京の西部は古くから西ノ京と呼ばれていましたが、この地には、西大寺、
          喜光寺、唐招提寺など長い歴史を背負った大寺が多くあり、薬師寺もその一つです。
          この寺は、天武天皇の9年(680)建立が発願され、文武天皇の2年(698)頃、
          ほぼ完成をみたと伝えられます。その後、平城京遷都に伴ない、和銅3年(710)
          現在の地に移ります。
          近代、この寺を特に著名なものとしているのは、寺創建の飛鳥時代後期制作の
          銅造薬師三尊像(金堂)、そして銅造聖観音立像(東院堂)でしょうか。
          わが国の仏像彫刻の中でも特に優れたものと言われ、国宝中の国宝と賞されます。
          罰あたりを恐れず敢えて言えば、私はこの聖観音像が特に好きです。東院堂の
          暗さでは細部を詳らかではないのですが、若い日に見た土門拳の「古寺巡礼」で
          見た写真の印象が忘れられないのです。
          奈良時代天平年間から唯一残る東塔(裳階を有する独特の三重塔:国宝)は、
          2009年から9年間の解体修理の最中で覆いの中、見ることはできません。
          1970年代以降、当時の高田好胤管長により、白鳳伽藍復興事業が進められ、
          金堂、西塔、中門、回廊、大講堂などが再建されました。それらは白鳳の当時の
          形と色彩を再現したものと思われ、その極彩の世界は目を見張るものでした。
          ・・と同時に、少なからずの戸惑いを感ずるものでもありました。




 大講堂





 回廊





 東院堂





 中門と金堂





 金堂





 金堂の扉





 薬師如来台座の彫刻





 西塔