1週間の間に、日本の活火山3000m峰三座、富士山(3776m)・御嶽山(3067m)・乗鞍岳(3026m)を巡ってきて、雲海上の浄土世界という場に身を置き、それぞれの山の霊気をいただいてきたのであるが、共通点は、独立した山岳であり、孤高の秀峰として、そして霊山として、古来ひとびとの信仰の対象とされてきた山なのだ。
これら山岳にひとびとが聖なるものを感じた理由は、その美しい山容ばかりでなく、古来から噴火を繰り返してきた活火山に畏敬を感じてきたからだろう。怒りの神々を鎮めるためにも、祈りを深く捧げてきた。記録上は、噴火という形跡はないような乗鞍岳であっても、地質学者に言わせれば、2000年前に恵比寿山域での噴火した事実が認められ、今でも湯川上部に噴気が認められ、あの東日本大震災以降、北麓付近で地震が活発に起きているのだという。1万年尺度の地質時間にとって2000年前は、最近なのだ。
雲海上にそびえたつ城郭の一角立ったような感覚にとらわれた日本の活火山の高峰。改めて天地の凄みを感じたのであり、「最近」の噴火にもめげず、立ち直り、回復しようとする生命の森。足の動く限り、これら三座を奉っていこうではないか。深田さんが言うように、スカイラインやロープウェイで大衆化された故に、周囲や麓にはひそやかな自然が残されているのであり、御嶽も、乗鞍も、麓から登るコースと下山コースのバリエーションは、まだまだ尽きぬほどある。かつ、活火山ゆえ、麓には素晴らしい温泉が湯気を立てている。
御嶽二の池から黎明の富士。手前は、中央アルプスの空木岳か。
御嶽二の池から朝の乗鞍岳(中央)
乗鞍剣が峰から御嶽山
乗鞍岳山頂から、西を眺めていて、もう一座ありました、独立した活火山の高峰。「あ、すみません、忘れていました。」3000には少し届かないけれど、日本で四番目に高い活火山・白山(2702m)が。昭和と平成のはざまの年に1度訪れたきりで、いつか、じっくり歩いて(住んで)みたいと思っていた旧懐の霊山が。
この山は、残雪とお花の夏がいいな。来夏、旧白鳥町の石徹白(いとしろ)から加賀禅定道をつなぐロングトレイルなど歩こうか。白川郷までの道も捨てがたい。書棚にあった昭和62年発行の山と高原地図「白山」を眺めながら、もう脳内は来夏の白山。(オリンピックチケット外れたので、もう夏の東京興味ありません。)
乗鞍剣が峰から白山。手前は権現池、歴然とした火口池である。
乗鞍剣が峰から白山を望遠で、あの白いのは雪か、それとも火山灰?
(追伸)
この1万年の間に活動している火山を活火山だという。気象庁によると、北方領土を入れて日本には111.数えてみたら、そのうち45ポイントは、すでに行ってみた。伊豆諸島ほかの島嶼は、まだほとんど手つかず。111ポイントのうち、今後、100年以内に噴火するかもしれないと監視を強めている山が50.富士も乗鞍も御嶽も白山も、この50座に入る。御嶽は噴火してしまったが、他も心して入山すべし。
(日本の活火山111)
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html
活火山と地震との関係を調べるべく、プレートの状況を調べると、上記の火山帯とほぼ同じ曲線を描いている。
(日本周辺のプレートと地震分布図)
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
プレートの沈み込みがマグマの活動を活発にさせていることが分かった。
(プレートに平行した火山分布の理由)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/2-4.html
地球も、生きているのだ。