こないだの日記に、ヒメジョンにやってきた小型の「ハチ」について名前はまだ知らないと付記した。下の写真である。
ネットのハナバチ図鑑をたどっても、同じような美しいお腹を持った「ハチ」が探せなかったので、図鑑.JPという検索サイトの掲示板に教えを乞うた。
その日に、詳しい方の回答があった。「羽が二枚しかないので、ハチではなくハエの仲間だ」と。
ハチは、羽が二対四枚の「膜翅目」に分類されるが、ハエは、羽が一対二枚の「双翅目」に分類されるという。
(そうだったのか。そんなことも知らないで生きてきたのか・・・)
教えてくれた方によると、名前は、「ホソヒラタアブ」というハナアブ科に属するハエの仲間であると。
(そういえば、写真をよく見るとお顔が、あの嫌われ者のアブやハエに見えてきた・・・・)
え?「アブ」というのにハエなの?という疑問がわいたが、分類上アブは「直縫群」に、ハエは「環縫群」に分けられるので、名前はアブだが「ホソヒラタアブ」という「ハナアブ科」は「環縫群」であるからハエの仲間なのだという。
(直縫とか環縫とかは、さなぎの縫い目、どのようにさなぎが割れて成虫が顔を出すのかの分類らしいが、
学者というものはそんなに細かいヒトたちだったのか・・)
で、あの美しい縞々模様はハチじゃないの?とギモンがよぎる。これも生物学上のむつかしい言葉だが、「ベイツ型擬態」というのだという。天敵から身を守るため、危険生物、たとえば毒針を持っているハチのデザインをハチ以外の生物が真似ることをいうのだそうだ。チョウやガの羽根が鳥の目に見えることなどもそういった擬態なのだろう。
(誰が最初に考えたのか、恐ろしい知恵者だな・・・)
もうひとつ、そのホソヒラタアブさん(写真は♀のようだ)、すばらしいホバリングでヒメジョンの美味しそうな蜜を探してゐたが、あの飛び方はハチそのものではないのか、たった二枚の羽根でホバリング能力はすごくないか。?とギモンに思ったが、それが大間違い。ハエの仲間は、昆虫類の中で飛翔能力が非常に高いのだという。
(そうだったのか、ハエを見くびっていた・・)
さらに、ハナバチ科のホソヒラタアブさんたち名誉のために言っておくが、植物の受粉を手伝ってくれるし、幼虫は農家の敵のアブラムシを食べてくれるので、園芸課にとっては益虫に分類されるとのことだ。益虫、害虫はヒトの身勝手な分類なのだろうが、このハナバチさんたちと出会わなければ、ハエという生き物を忌み嫌ったまま人生を終わっていただろう。ありがとう、ハチのようなアブの名前を冠したハエさん。
(ステレオタイプなヒトに成り下がっていたオイラを反省・・・・・・)
ハナバチの動画ではなくハナアブさんの動画でした。お詫びして訂正します。