夏から秋にかけて、十五夜の満月となる日を選んで山に登り、月を愛でながら、あるいは山上で故人を偲び、あるいは山に逝ったヒトビトの御霊をなぐさめ、あるいは遠くない日に彷徨うであろうオイラの魂を想像しながら、彼らと酒を酌み交わす。
昨年9月の満月の日は、お天気に恵まれ、御嶽山上で雲海からのぼる月を迎え、山稜に沈む月を見送った。これの儀式にハマったので、今年も酒を担いで出かけよう。天体観測手帳で確かめると、8月なら4日、9月も4日、10月なら2日が満月とある。9月の4日は、沖縄では旧盆の夜、皆がご先祖様に手を合わせ、念仏踊りをルーツとするエイサーなどで練り歩く。今年は、オイラもその日に合わせようか。
さて今年は、どの山にするか、頂上付近か見晴らしのいい稜線に小屋やテント場がある山がいいだろう。できれば、感染リスクを避け、他人に迷惑をかけないような静かなテント場がいいが、どこがいいか探してみよう。
一方、月明かりの全くなく、天の川が輝く新月の夜。星空撮影に最適な夜を選んで、寒さに震えながら朝晩を過ごすのもいいだろう。今年は、8月なら19日、9月なら17日だ。できれば、星空を美しく撮るためにベルボンのカーボン三脚を持参したいが、アプローチの短い山はどこか、いくつか候補地を探してみよう。
一向に梅雨明けのめどが立たたず、コロナ問題も再浮上してきて、「行けるかどうかも怪しくなってきた」2020年7月なかば。「空想登山」だけでもしておこう。
昨年9月の御嶽から数コマを編集してみた。
二ノ池の午後の陽
御嶽山頂にかかるさそり座・アンタレス、木星、土星
雲海に月の出
月の精が山に帰ってきたみたい
摩利支天に隠れる月の精
明けて、八ヶ岳が雲海に浮かぶ
乗鞍・槍穂の朝のシルエット
八ヶ岳・赤岳付近から陽が昇る