明日は七夕。
NHKBSのコスミックフロント☆NEXT「東京プラネタリウム」を見ていたら、カノープス(緯度の高い地域ではなかなか見ることはできない稀星のため、七福神の福禄寿とされる中国の仙人・南極老人星と呼ばれ、健康長寿の神に例えられる。)が紹介されていた。
出会えば、健康長寿を手にするというカノープスは、全天に21ある一等星の中で、シリウスに次いでとても明るい星だが、仙台では出会えず、福島の郡山以南からようやく望めるとのことだが、昨年春まで住んでいた沖縄の石垣島では、1月であれば、夜9時以降にもなると、南の水平線上20度の高さ(こぶしを両手で重ねた高さ)で容易に目にすることができた。
いつも観察できるので、そんなに「御利益」というものはないのだろうが、日本の北国育ちの者としては、カノープスだけではなく、南十字座やケンタウルスも普通に観察できた喜びは、ひとしおであった。なので、石垣島という土地に一時でも暮らすことがができたことをもって、すでに「御利益」があったと言い聞かせたい。
カノープスや南十字やケンタウルスが観察できるということは、石垣島であれば、一等星といわれる全天21の星が、観察できるということになる。南十字には、α星アクレックス、β星ミモザ、ケンタウルスには、α星リゲル・ケンタウリ、β星ハダルという一等星があるからだ。
夜の長い、冬、12月末~2月上旬までの間なら、晴れていれば一晩で(夜の8時から朝の7時くらいまで)も眼にすることができる。石垣島なら冬の夜でも凍えることはないので、冬の石垣島は星好きにとっては浄土ともいえるのだろう。(ただし、南西諸島の冬は、大陸高気圧の縁に当たり、晴れることは少ないという難点も抱えているので、短期旅行ではむつかしいか)
そんな浄土にあしかけ6年も暮らしながら、石垣島にお別れするという冬になって、はじめてオイラはその全一等星の観察と撮影に挑もうとしたのだが、2018年の暮れから、明けて1月になっても曇天の日々が続いていた。
が、1月の半ばになって、ようやく夜空が輝きだしたので、10日間程度のあいだ、オイラは夢中になって一等星を追いかけた。
そして、1月23日の夜明け、最後に残っていたベガ(こと座の織姫)とアルタイル(わし座の彦星)、それと二人の介添え人みたいなデネブ(はくちょう座の尾っぽ)が、東の空の夜明けギリギリに観察できた、これですべての21星を撮り終えることができ、感無量であった。(涙)
その時の、記録が残っているので、ようやく慣れてきた「フォト」のお世話になり、スライドショーをつくってみた。今から見ると、あわてて撮影したのか、満足のいく星空写真ではないが、それでも、わが「思い出図鑑」の仲間に入ってもらおう。
織姫と彦星、明日は逢瀬を重ねることができるのだろうか。それとも、オンラインによる遠距離恋愛か・・・・
石垣島一等星撮影記録一覧
№ 明るさ順 |
星の名 |
星座 |
撮影日時 |
1 |
シリウス |
おおいぬ |
19.1.23 19:24 |
2 |
カノープス |
りゅうこつ |
19.1.23 21:34 |
3 |
アルクツールス |
うしかい |
19.1.12 3:31 |
4 |
ベガ |
こと |
19.1.25 6:29 |
5 |
リゲル・ケンタウリ |
ケンタウルス |
19.1.15 5:57 |
6 |
カペラ |
ぎょしゃ |
19.1.23 19:26 |
7 |
リゲル |
オリオン |
19.1.23 19:24 |
8 |
プロキオン |
こいぬ |
19.1.23 19:26 |
9 |
ベテルギウス |
オリオン |
19.1.23 19:26 |
10 |
アケルナル |
エリダヌス |
19.1.23 19:24 |
11 |
ハダル |
ケンタウルス |
19.1.15 5:57 |
12 |
アルタイル |
わし |
19.1.25. 6:29 |
13 |
アクルックス |
南十字 |
19.1.15 5:57 |
14 |
アルデバラン |
おうし |
19.1.23 19:29 |
15 |
アンタレス |
さそり |
19.1.15 5:57 |
16 |
スピカ |
おとめ |
19.1.15 5:57 |
17 |
ボルックス |
ふたご |
19.1.23 19:26 |
18 |
フォーマルハウト |
みなみのうお |
19.1.12 19:29 |
19 |
デネブ |
はくちょう |
19.1.25. 6:29 |
20 |
ミモザ |
南十字 |
19.1.15 5:57 |
21 |
レグレス |
しし |
19..1.15 4:16 |
思い出図鑑に、思い出メロデイを。
コルトレーンのジャズバラード「Every Time We Say Goodbye」
石垣島の夜空は恋人。「サヨナラだけが人生さ」