昼の気温が10度の予想。そろそろ、青葉の森にもウグイスの声が聴こえるだろうと期待して耳を澄ましながら歩いてきたが、残念ながら耳にしなかった。
それでも、地面に目を凝らしながら歩いていると、風の当たらない暖かな斜面には、セリバオウレンの小さな白い星が瞬き始めていた。ようこそ、2022年、遠い西方でいくさが続いているこの春に。精一杯輝いてたくさん子孫を残せますように。
セリバオウレンの後少し遅れて開花するカタクリの葉がここに1枚、あそこに1枚と地中から顔を出していた。カタクリは、毎年葉を出すが、花を咲かすのは、7~8年後二枚葉を出した時なのだという。最初の1年目は、細い糸のような葉、2年目、3年目と次第に葉を大きく広げて地中の根を育んでいくのだという。そんなことを考えると、たくさんたくさん開く花のいちりんいちりんが愛おしい。
頭上では、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラなど、シジュウカラ科の仲間たちが忙しく木の芽や木皮に潜むムシたちをついばんでいる。これからの恋や子育てのために体力づくりに余念がないのだろう。
厳冬期をしのいだあとの森の生き物たちの営みを観察すれば、ウクライナ侵攻という不条理による心身の異変が和らぐのを感じる。
明日も通おう。
ヒガラさん 雌雄同色
ヤマガラさん 雌雄同色