夕べ早く横になったせいか、3時ごろ二人とも目が覚めてしまった。コーヒーと頂いたロールケーキを食べながら、奥さんが「こんなにも早くいくとは思わなかった」となんども話していると、切なくなる。「お父さんがこんなこともあんなことも言っていた」と思い出しながら、悲しんでいるようです。
6時ごろに私は家に帰り、着替えをして、朝食をコンビニで買ってくると、お腹がすいたのか、昨夜の残りのおにぎりを食べていた。一緒にまたサンドウイッチやおにぎりを分け合って朝食にしました。
お化粧品を持ってきたので、少し奥さんにも化粧をして、口紅をつけると、上唇が薄く、下唇が厚いので、唇を合わせると、上唇の上のほうまで口紅がついてしまった。普段化粧をしていない人なので、少し粉白粉をつけただけだけれど、かわいくなった。
8時には、2階を片付けて、下で待っていると、女性職員が来てくれた。お茶を出して、ゆっくりしてみんなが来てくれるのを待っていた。
お棺の中をのぞいてみると、背が高い人だったので、頭がきりぎりになっていて、少々窮屈のようであった。女性職員が「お化粧がしてあったので、女性かと思った」といわれてしまった。
告別式は、10人くらいの人で、昨夜と同じ様に葬儀が行われて、最後はみんなで花を全部入れて、好きなお酒も全部体にかけてあげました。しばらく病気の間は禁酒をしていたので、久しぶりのお酒だったのでしょう。
火葬場まで行くと、今日は火葬する人は5組もあって、控え室も全部詰まっていた。いまは、火葬する場合、スイッチを入れるときに、奥さんの腕をしっかり捕まえていたが、「ボー」と大きな音がしなかったので、ホッとした。
お骨は見せていただいただけでしたが、あんなにがっしりしていた体が、骨はバラバラになっていて、病気だった内臓付近は黒ずんでいた。変わり果てた体を見ても、よくわからないようすだった。
骨は全部火葬場で供養していただくことになっていたので、写真を受け取って、奥さんの兄弟とは、火葬場の前で分かれて、そのまま家まで送っていき、写真を飾って、みかんやパンを供えて帰ってきました。なんだかあっけないけれど、奥さんは1人でこれから生きていかなければなりません。事務的なことは、お手伝いできるけれど、自分で後片付けをして、がんばらなければなりません。
帰ると、社会福祉課の職員から電話が入り、来週にこれからの奥さんへの支援をどうするか話し合うことになりました。まだまだこれからしばらくは外からケアをしなければならないと思いました。