しろつめ・楚々・くちかずこ姫のお部屋 goo

安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

号泣

2011年08月10日 16時58分00秒 | インポート
おばあさんが、号泣したんです。
悲しくて、
悲しくて、
泣き止まない・・・

癌が体中に転移していて、
心が、ほんの少し子供返りしている。
可愛いおばあさんです。

退院の日に、
家族が迎えに来なかったから・・・
朝から、ニコニコ待っていたのに。

待っても、
待っても・・・・
不安が募ったころに、
連絡の行き違いが発覚。
どんなに泣いていても、
今日は無理と。

毎日、
毎日、
ただ、天井を見ていました。
既に弱った体では、
起き上がる自由もなくて・・・

起き上がれないのではなく、
歩けないのではなく、
転倒を回避するために、
一人で動いてはいけない、
そういうこと・・・

医師が医師的に訪室し、
看護師が看護師的に訪室し、
リハビリを含め、
それぞれの職業の人が、
職業的に訪室するけれど、
心の寂しさは埋まらない。

栄養も管理され、
痛みもちゃんとコントロールされて、
いろんなケアも受けているけれど、

誰も、涙の管理はできない。

翌日には、退院されました。
今は、泣いていないのかな・・・
「遊びに来てね」
にっこり笑ってくれました。

重症で、認知症もある家族を家の中に抱えることが、どれほど大変か、
くちこは、実母で体験しています。
脳梗塞で、狭心症で、肝硬変で、胃がんで、認知症、要介護5の母を、家で介護したので。

「病人に飽きるのではなく、病気に飽きるのだ」
介護の気力が萎える理由・・
言い得ていると思います。

ただ、自分の親を泣かせた分は、自分の体に傷として生涯残ります。
それも、くちこは体験しています・・・

隣のベッドのおばあさんには、
朝早くから、息子さんが静かに寄り添っています。
「今日、外はとても蒸し暑いよ」
他愛もない言葉が流れます・・・
息子さんは、処置の間も廊下で穏やかに待っています。
また母の側に戻る時を春のような暖かさをまとって待っています・・・
その親子の側には、静かだけれど、暖かい時間が流れています・・・

育てたように育った。
ただ、それだけのことなのだろうか・・・

生きるということは、
人様の生き様を見ながら過ごすということ。

最近、くちこが徒然考えたことでした*(ウインク)*
コメント
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