くちこは一人っ子で、万一、逆縁となったら一日たりとも両親は生きていけないと脅されていました。
くちこが42歳の時、母が他界しました。(父は30歳の時)
亡き母の枕元で、「ああ、これでやっと死ねる」と心から安堵した
親不孝なくちこです。
その後も、くちこは世にはばかり、
ついには、母の十三回忌となりました。
ここまでやった以上、これをもって娘としての職務は終了とします!
くちこ53歳、
えらい!
よく頑張った!(自画自賛はくちこの特徴)
東京から、良い子(長女)、悪い子(長男)、普通の子(次男)も帰省。
くちこの新夫も参列、披露。
母と、縁の深かった人たちも、十年ぶりに、
それぞれのところから、それぞれの想い、思い出を胸に、
くちこ家に来てくれました。
くちこが、しっかり者のようで未熟者であること。
甘やかされ過ぎて、色々と普通でないこと。
そんなくちこを半ば諦め、亡き母の忘れ形見として、
広い心で見てくれて・・・いる・・・と、いいな。
人の心の中は推し量る術もないけれど、
母のために集まってくれたことに感謝しています。
無理をして帰省してくれた子供達、
遠い所からきてくださったお坊さん、
人の縁は仏縁、
だとしたら、神仏から戴いたものばかりに囲まれて生きているんだな。
うすらぼんやり考えつつお経を聞いていました。
お経の最中に悪い子の数珠が切れました。
帰省に備えて新しい数珠を用意していたのに、
直前に見当たらなくなった、と。
くちこは腹を立てつつ、仏壇の数珠を渡したのですが・・・
案外、ご先祖様が悪い子の何かを背負ってくれたのかもしれません。
いつも悪い子を案じているくちこの為に、母が守ろうとしたのかもしれません。
同じ日程で帰省した良い子と悪い子は往復とも新幹線は並び席。
良い子が、仲良く帰る姉弟の姿をくちこが喜ぶことを計算にいれて手配したそうです。
普通の子は、姉、兄よりも長く逗留して、
PCで新しく家系図を作り直したり、
過去帳の人々をエクセルに入力したり、
くちこのPCやスマフォをいじってアホな母でも使えるようにしたり、
彼的に精進していました。(システムエンジニアなのでね)
悪い子は、今月引っ越す普通の子のマンションにエアコンをプレゼントするそうです。
取り付け込みで。(電気工事士なのでね)
マンションの保証人は良い子。
くちこは、もうすっかり弱ったオバサンなので、
子供達が助け合ってくれることが一番うれしいことです。
そして三人で、くちこを助けてくれることを
とても当たり前に思っている、
高ピーな母親です。
そんな丸ごとを感謝する十三回忌でした。
最後に、お墓参りの帰りに子供達と食事をしたお店で見つけて買った仏様です。
合掌した手を開くと・・・
なんだかご縁を感じてお連れいたしました。