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安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

「心を載せる」こと

2013年05月11日 10時09分44秒 | 健康・病気

くちこが病棟現役時代、どんどん下がる看護レベルに危機感を持ち、

凸凹の凹の嵩上げを急務と心得え、

徹底的にマニュアル化し、

新人には習熟度リストまで作成し、

資質を抜きにした均一化に心を砕いていました。

 

今回くちこが入院した病院も看護師90人募集中!

致命的に足りない(T_T)

日本の医療界の崖っぷちは、探さなくても自分の目の前に・・・

 

頭数よりも憂えることは、消えた中堅ナース。

疲弊して、櫛の歯がこぼれるように彼女達が去った後の病棟は・・・

20代前半が主力です

 

当然マニュアル化されています。

全てはシステムの中に。

完全電子化、指示も実施もリアルタイムでPC上にて共有。

病院が進める更なるシステム化の波に院内中が翻弄されつつ、

そのシステムに乗って働くしかない若手だけの病棟・・・

 

くちこは、やっと自分の過去のミスに気づきました。

マニュアル化の限界はとても早く到来し、深刻であるということ。

中堅が支えない病棟の不安定さ・・・

 

自分が新人時代、過酷な勤務でしたが、

「風林火山!」のような中堅に囲まれて、

ヒヨコはきちんと親鶏が見ていました。

今思えば恵まれた新人時代だったんだなあ・・・と。

 

そんなこんな考えつつ、わがままな患者をやっているうちに、

くちこは全く違うモノサシを持つに至りました。

看護力、経験年数と関係しないモノサシで人を見るようになりました。

 

自分の業務に

「心を載せる人」と、

「心を載せない人」

 

そして反省しました。

自分が彼女達ほど若かった頃、

「心を載せない人」だったことを。

 

例えばガーゼ交換。

※くちこは昼夜を問わず2時間ごとでした。

・気に掛けて看る。

・汚れていないかと心を配る。

・早めに交換できたら喜ぶ。

・いろいろ漏れない工夫をして結果が良いと喜ぶ。

・「きれいに拭いてからガーゼを置かせてください」とも。

・超忙しいのに絶対に時間を作ってやってくる。

 

たかがガーゼ交換ですが、

その業務に心を載せる人と、

忙しい業務の中の一つとしか扱わない人。

心が載っていないんです・・・

 

深夜、薄暗い病室で、洗面所とくちこのお腹を往復して、

もっと綺麗にと、ゆっくりお腹を拭いてくれたナースも。

拭いた後に自分の手のひらでくちこのお腹を扇いでいました。

彼女の心が載った僅かな風に心底慰められているくちこがいました。

 

くちこを担当した研修医が、デート直前に私服で飛び込んできたことも。

僅かに正常値を超えた血糖値が気になることを伝え忘れたから、と。

傷の治りに影響があるので気をつけてと言っておきたかったから、と。

やっと時間が作れた大事なデート前だというのに、ね。

くちこの主治医は彼以外にもう4人いるのですが・・・

これは、彼の心が載っているんです。

 

 

突然ですが、

夫は、ずっと病院に寝泊まりして、朝晩、くちこに足湯をしてくれていました。

必ず誘ってくるんです。

断るとガッカリが伝わってくる・・・

お湯から出した足、その指を毎回、一本づつ拭き上げるです。

妙な気合いとともに。

2,3本、まとめて拭いたことは無かったです。

やっぱり、そこに心が載っていました。

不器用でも、ね。

 

過去は変えられないけれど、

これから人と関わる時に、

心を載せられる人になりたいなあ・・・

 

くちこの近況は・・・

常にある創痛。

常にある我が身の喪失感。

「今」を受け入れかねて、

心は、オペ後鬱かな?

療養しているような、引きこもっているような???

 

外科医長にいつも叱れていました。

「何事も考えすぎだ」と。

「先のことを心配してもしかたがない」と。

「困った事が起こった時に最善を尽くすこと、それだけだ」と。

「目先のことに動揺せずに長いスパンで先を見なさい」と。

忙しくても毎日数回訪室して雑談してくれました。

今思えば、思いっきり勤務時間外です。

くちこの退院に「寂しくなるなあ・・・」とも。

心を載せてくれてどうもありがとう!

二歳年下の外科医長殿。

 

心を載せてくれてどうもありがとう!

ブログ友達の皆様(*^_^*)

くちかずこ拝。

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97 コメント

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たいへんな手術のなかでも、「こころ」を深め、広... (春庭)
2013-05-11 10:36:58
看護の人手不足という現状のなかにも、こころを尽くして仕事をする人の姿は、病人にも付き添いの家族にも感銘を与えます。経験不足の人にマニュアルは必要なことでしょうが、マニュアルに心を載せることが出来るのはその人自身の心しだいですものね。

ご主人のこころのこもった足湯、ほんとうにぽかぽか暖まるエピソードです。
大事な体の一部をうしなったのですもの、喪失感があるのはやむをえないこととはいえ、くれぐれもお大事にね。
返信する
くちこさん、おはようございます。 (シフォン)
2013-05-11 10:37:18
今日のお話、良いお話ですね。
くちこさんは今、退院されてたいへんなときなのにいろいろ考えられてすごいなと思います。

心を載せること・・・大事ですね。
そして、こころを載せる人に出逢えた時の感謝、忘れずに過ごしたいものです。

くちこさん、どうぞゆっくりお過ごしください。
返信する
こんにちは (TAKAOSAN)
2013-05-11 11:36:56
とにかく、生還おめでとうございます。
入院すると、色々時間があって考える時間が多くなるのでしょうね。
考えるなと言われても、考えるくらいしかすることもないので、考えてしまう。気分転換などできない。
やはり病院にいないで、退院することが一番のリフレッシュですね。
ご主人の心遣い、素晴らしい!!
こころのこもった医療。
大切なんですね。
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心を載せる。 (ナタリー)
2013-05-11 11:48:50
人が人にすることなのですね、看護とは。

今はともかく「養生」第一。
「我儘」ということは絶対ありません。
沢山「甘えて」ください。
ご主人、大変な手術から帰って来られたくちこさんの足湯ができてきっと嬉しいでしょうね。
する方される方、お二人ともに心が載っていて良いです。

しっかり養生してください。
お大事に。
返信する
くちこさん、こんにちわ。 (masamikeitas)
2013-05-11 12:35:04
「心を載せる」。
とても大事なことですね!
私も現役時代を振り返ると、心を載せて仕事をしたこともありますし、心を載せずに仕事をしたこともあります。

くちこさんには心を載せて対応してくださった方が多くいらっしゃいましたね!
そのことに気づかれたくちこさんは、エライ!と思います。(笑)
返信する
「心を載せる」・・・いい響きですね。 ()
2013-05-11 15:06:37
入院して、色々な事に気が付いたのは
くちこさんならではですね。

私が「心を載せる」相手は今のところ身内だけですが
心に留めておきますね。

毎日足湯をしてくれたご主人、
きっと、くちこさんがお義母さまに心を載せていたからかもしれませんね。
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まだ病み上がりだと思っていましたらブログを見て... (鉄ちゃん爺や  黒田)
2013-05-11 15:36:07
凄く長い書き込みなのに、冷静な考えと体験談に驚きました。

胃癌で三分のニを摘出した従姉妹は1年間ぐらい何も出来ませんでしたから。

やはり看護師としての使命を後輩に伝授する意欲には感心しました。

確かに中堅層は大事な人材ですね、私事で申し訳ないですが
私が40歳直前で最初の職場をリタイアした後
同じ年代が次々に退職したそうでリーマンショックの時に中国への
過大投資に失敗し倒産してしまいました。

本業に専念すべきだと私たちが反対したんですが昭和一桁代の
幹部が暴走して他業種に投資しての倒産でしたね。

やはり私たち昭和10年代の人材が残っておれば、おそらく
倒産まではさせなかったのにと残念に思いましたね。

やはり昭和20年代や30年代の方たちには幹部にイエスマンの態度しか
取れなかったんだと今は納得していますけど。

長いコメントになりましたが、無理はしないでご自愛くださいね。




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春庭さん、 (くちかずこ)
2013-05-11 16:56:59
ありがとうございます。
辛い経験と思い出の中にも学ぶものは大きかったです。
全ては仏縁なのかな?とも。
だって、くちこのお腹を扇いだナースは、幼少時にくちこからピアノを習った子だったんです。
そして就職して数日でくちこの担当に。
奇遇でしょ?
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シフォンさん、 (くちかずこ)
2013-05-11 16:58:29
辛かったの一言に尽きる日々ですが、
それでも人様の心を戴いて有り難かった・・・
そのことを糧にしたいです。
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TAKAOSANさん、 (くちかずこ)
2013-05-11 17:00:56
気力が無くて、殆ど何もできない日々でした。
でも、くちこの部屋は「くちこサロン」となっていました。
くちこに心を載せたり、心を置いたり・・・
なかなか人気の部屋だったかも(^_^)v
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