日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

黙っていても季節を運んできてくれる庭の風景

2012年06月19日 | インポート
今、我が家の庭では、、紫陽花の青色と、うす紫の色が、梅雨の雨にぬれて鮮やかに見える。

春先のラッパ水仙の黄色に始まり、ゆすら梅のうす桃色の小さな花、その花が終わるとしばらくして、ゆすら梅の実が真っ赤に熟す。

こでまりは、妻の父親から貰った花、白藤は、伯父さんから貰った花。

二人とも彼岸に旅立ってしまったが、それらの花が咲くたびに思い出す。

今年はアマリリスの赤い花が、例年よりも元気に咲いていたし、赤紫色のかきつばたもみごとに咲いてくれた。

数日前までは、松の木の周りで白百合が咲き誇っていた。

その他にもたくさんの庭の草花が、黙っていても季節を運んできてくれる。

若い頃には、そのような庭の風景のうつろいを、しみじみと感じる事はあまり無かったが、最近では早朝に起きて、庭の周りをながめては季節の移ろいを感じ、普通に生きている事に感謝できるようになった。

今日は雨のために仕事が休みで、二年前に他界した伯母の命日だったので、室内墓のある光西寺にお参りに行ってきた。

仮に、80歳まで生きる事が出来たとしても、季節のうつろいは80回しか体験できない。

その中の58回目を今体験している。

黙っていても季節を運んできてくれる庭の風景の1回分を、大切に味わいたい。


豊田一喜