日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

造反議員?

2012年06月20日 | インポート
マスコミは、消費税の増税法案に反対する民主党の良識ある議員の方々を、「造反議員」というふうに表現している。

物事の順番をきちんと認識していれば、そのような表現は非常におかしい。

民主党は、前の選挙のマニフェストで、消費税は上げない、公務員の給与を2割カットするなどの公務員改革をするということで、多くの国民からの支持を受けて政権を奪取した経緯がある。

であるから、そのようなマニフェストを掲げた民主党を支持した国民の側から見れば、消費税の増税法案には反対する立場の民主党国会議員こそが正統派議員であって、多くの国民の意向に反して、消費税の増税が当然のごとき態度を取っている、民主党の主流派と呼ばれている議員こそが、国民に対する「造反議員」であるはずだ。

「税と社会保障の一体改革」などという狡猾なフレーズを使う前に、順番としてやらなければならない事が他にあるだろうにと、末端で生活している一庶民としては非常に強く思うのです。

私たちのような、末端で生活している庶民としては、選挙の際の1票でしか国家に物は言えないけれども、その1票ずつの積み重ねで政権を交代させることもできた。

国民との約束事である「マニフェスト」を反故にするような政党の党首が、「政治生命をかけて消費税の増税法案を通す」などと言っているが、彼の政治生命は「マニフェスト」を反故にして、消費税を増税すると表明した時に既に終わっていると私は思う。

国家公務員の給与の7.8パーセントを、たった2年間に限定して削減するなどという、見せ掛けだけの公務員改革など、改革とは言えない。

また、福島であれだけの原発事故が起きたにもかかわらず、今後の我が国のエネルギー戦略も明確にしないまま、なし崩し的に原発の再稼働を容認した首相に、経済界からの支持はあろうが、一般国民の大多数からの支持は得られないだろうと私は思う。

日本国内の全ての原発が稼動していない状況下においても、通常の国民生活に支障は無かったという、最近の現実を忘れてはならない。

原発の再稼動問題に関して、首相は、「自分が責任を持って決める」と言って再稼働を決定していたが、次に何か原発事故が起きた時には、既に首相ではない可能性が大きいし、民主党自体の議席の確保も厳しいのではなかろうか。

どのようにして責任を取るのだろうか。

野田首相の行動や言動は、民主党という政党を、自ら消滅させようとしているように映ってしまう。

「造反議員」と称されている、本当は「正統派の議員」にとっては、迷惑の極みではなかろうか。

国にもの申す選挙での1票は、現状の本質をよく見極めて、誰が私たち庶民にとっての造反議員かを見定めてから投じなければ、同じ轍を踏むことにもなりかねない。


豊田一喜