日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

非常識なお手盛り行政(早期退職教職員の再雇用)

2013年03月03日 | インポート
非常識なお手盛り行政の典型。

以下は読売オンラインの記事の転写。

駆け込み退職教員64人、講師で採用…名古屋市

2013年3月2日(土)18:33
 自治体職員らの駆け込み退職問題で、名古屋市教育委員会は1日、欠員を埋めるため、2月末で早期退職した教員64人を3月も引き続き講師として採用したことを明らかにした。

 同市の教員の人件費は愛知県費で賄われており、県が3月に退職手当を平均約150万円減額することに伴い、市では定年退職予定の教員90人が手当引き下げ前の2月末で退職した。

 再雇用した64人には学級担任45人全員が含まれる。教頭1人は補充しなかった。残りは市教育サポートセンターに登録していた臨時講師を充てた。

以上は読売オンラインの記事の転写。


行政の非常識の極みのような、身内に甘いお手盛り行政の典型例だと思う。

雇う方も雇う方なら、その雇用依頼を受ける方も受ける方である。

退職金を減額されるから、その制度が施行される前に退職するというのは、教育者としてあるいは担任としては無責任な行為だとは思うが、生活者の視点から見れば理解できない行為でもない。

だから、早期退職教職員が出た事は、あえておかしいことだとは思ってもいなかった。

しかし、舌の根も乾かないうちにそのような人たちを再雇用するという行政のあり方は如何なものだろうか。

また、無責任にも、担任としての職務を放棄して早期退職した人たちの、再雇用に応じる教育者としてのありようは如何なものだろうか。

職員組合との間に取り交わされた出来レースのように思えてしまう。

子どもたちの進級、卒業まで見届けたかった、父母からの要望が強かったなどという、金太郎飴みたいなコメントでお茶を濁すぐらいが関の山だろう。

元々は、年度の途中での制度の変更を決めた法律のありようがおかしいのではあるが、会計年度の都合など諸事情でそのような制度になったものであろうとは思われる。

要するに、そのような理不尽とも思われる仕組みの中でも、早期退職をしないで、任期まで教育者としての職務を全うしようとしている多くの教職員の方々がおられるのに、早期退職者だけを利するような、行政のあり方はおかしい。

一般の民間人から見れば非常識な事ではあっても、特別に選ばれた階層であるという意識を持っているであろう行政組織も含めた彼らからしてみれば、当然の「常識」という認識なのだろう。

わざわざそのような人たちを充てずとも、来年度からの新規採用教職員に臨時で入ってもらうとか、担任はベテランの教職員を充てるとか、方法はいろいろ模索できたはずだとは思うが。

おかしな税金の使われ方に対しても、おとなしい日本人は黙している。


豊田一喜