大学時代の友人と19年ぶりに再
会したのは瀬戸内海に浮かぶ島
だった。
待っていると、待ち合わせ時刻
にやって来た。
奴はゆっくりとマシンを停めた。
俺は言う。
「よお」
奴は言う。
「おう」
学生時代に苦楽を共にした友と
の再会はそんなもんだ。
離れていた時間など無いが如し。
まるで先週あたり一緒に飲んだ
ような空気だ。
これ、高校から同大学時代の親
友と久方ぶりに再会した時もそ
うだった。
何度か幾人と同じパターンがあ
ったが、全部が全部そんな感じ
だった。
いつも「よお」「おぅ」てな感じ。
気の置けない奴らとの邂逅とは
そういうものなのかも知れない。
サラッとしている。
でもそれがスッと来てストンと
腹に落ちる。
腹に何もないからスカッとして
いる。
互いに東京風味なのかも知れな
いが。
学生時代ってのはいいもんだよ。
そこで得られるものは、計り知
れなく大きい。
友は船で来て船で東京さ帰る。
空には秋のうろこ雲。
大阪生まれ育ちの奴と茶しば
いている時、旧友の船旅の話
をした。
そいつも大型乗りで、北海道
にもよく行ってた奴。
「船は旅費浮かすなら雑魚寝
二等船室でいいしな」と言う。
「おんめ、学生時代じゃねぇ
んだからよ~。この歳でそれ
はちょいときついぜ。俺らの
歳考えろよ(笑」と言うと、
「それはそうだ。俺も大学
時代の事を思い浮かべて言っ
てたわ~。いかさま、左様に
御座る」と言ってた。
そういや、船便でのバイク旅
というのは、私は高校生の時
以来やってない。
それ以降は横浜から広島往復
などもすべて陸路だった。
東京の旧友に都内から北海道
ツーリングに行くときの予算
を訊いた。
するとやはり一週間予定では
最低で25万要るとの事だった。
宿泊先を民宿やゲストハウス
にしてそれ。
そこらの海外旅行よりもずっと
高いじゃん(笑
一番かかるのが船便の運賃だっ
た。
てことは、広島から毎年北海道
に行ってる乗り仲間とか、毎年
北海道往復だけで数十万使って
るんだろうなぁ。
それに、やつらは毎月のように
九州阿蘇まで走ってる(笑
ほんとの「走り=マイライフ」
というようなライフスタイルだ。
モーターサイクルを生活の中心
に据えている。二人とも通勤も
毎日二輪だし、両者とも二輪は
数台持っていてローテで乗って
いる。
オートバイ乗り、変なの多い(笑
ただの「趣味」とかの領域を
越えている連中がわんさかい
る。
BORN TO RIDE というのが単
なる標語ではなくて実生活が
それそのもののような種族。
かなり多い。
まあ、世の中、人はそれぞれ
だけどさ。
「またいつかどこかで」
これ、二輪乗りは初めて会った
相手でも別れ際の定番台詞だが、
これはさりげなくカッコいい。
さらりとスマートで。
でも、乗り屋はてらいなく自然
に言う。
一つのオートバイ乗りの文化
だろうなぁ。
すれ違いざまにも、乗り屋同士
は「ヤエー」などではない挨拶
を交わす。
それは軽くメット越しに会釈
したり、静かに手を挙げたり
する。
これは古く、半世紀以上前から
あった日本独自のオートバイ
乗りたちの文化だ。
オートバイ乗りたちは良い空気
出してると思う。
それね、何だか武士同士がすれ
違う時に軽く会釈して「御免」
というのに共通するものがある
ように私には思える。
シカトの無視という礼を失する
事はしない、というような。
日本独自のオートバイ乗りの
そうした文化側面は、とても
ジェントルマン的良質カルチャー
だと思うよ。
「静寂なる事を学べ」と言い遺し
たのは釣聖のアイザック・ウォ
ルトンだったが、そうした心の
文化がオートバイ乗りにはある。
ピンクドラゴンの高橋誠一郎
店長のハーレーのタンクには
ウォルトンの言葉が英語で書か
れていた。
「静寂なる事を学べ」
この言い表す世界観は、かなり
空気と心が澄んでいる。
その透徹さの一部をオートバイ
乗りたちは獲得しているように
私には思える。
(画像はイメージです)
旧友がオートバイでうちに
泊まりに来て共に走り、共
に一晩4軒飲み歩いて旧交を
温めたが、ふと訊いてみた。
「あーた、バイク置き場とか
どうしてんの?」と。
すると、「親父が頑張って
くれちゃって、生前に家を
建て替えた」という。
ビルトインガレージ付の鉄骨
三階建てだそうだ。
そこに四輪車とオートバイを
停めているという。
「そいつぁいいね~」と言う
と「不便は無い」との事だ。
東京の人気の街で、駅から
歩いて(あるって)ほんの
数分の所に家がある。高級
住宅街でもあったりする。
元々の都内ジモチーでの家持
ちは便利だねぇ。大学もある
閑静な良い街で、人気の高い
場所だ。
「物件探しであーたの街の
中古戸建とかリサーチした
らさぁ、たっけえの」と言う
と、「高いね、うちのあたり」
と言う。
「最低、中古戸建でも億いる
ね」と言うと「億だね」と答
える。
めざせ宝くじ15億円だな(笑
よると、四国のUFOライン
は紅葉が良い感じだったと
の事だ。
づいた所を指さして「あれ
位?」と訊くと、「あんな
もんじゃない。もう一面
真っ赤」と言う。
コマンドベストだった。
下は革パンツとパンツの中に
オールドスタイルのレーシン
友人曰く、革はとてもいいし
も選択が革以外になる、と。
納期5ヶ月(笑
はそれ程せずに2万円台だ。
加工だと別の安い革ジャン
買える位の見積になったが、
フロント部分を私の希望
を採り入れてカドヤさん
お任せで私のオリジナル
革ジャンを作ってくれる
のが何とも嬉しい。
打ち合わせは電話でのやり
取りだったが、何度も連絡
を頂いて詳細に打ち合わせ
をした。浅草本店請け。
いいし、自分のスタイルに
必要性を感じなければ着な
ければいいだけの事だ。
自分が好きな物を好きなよ
うに着ればいい。
でやるのが一番いい。
と同じく、キモというのは
あるので、そこだけは知っ
ておいてもいいかと。
うでなければならないとい
うのは無いので、あまり
ネット情報や服屋、革屋の
情報発信に流されないほう
がいい。
そして、意図性のあるファッ
ション情報に流されるのは
その立ち位置がかなりダサ
い。実はファッション界の
「流行」というのは、仕掛
け人が「ことしはこれを流
行らせよう」と企画して発
信するものだから。モード
というのはそういう世界。
であっても、「流行を着る
のが一番ダサい」(by ピンク
ドラゴン山崎眞行)というの
は不動の真理だ。
としてはカドヤとクシタニ
がかなり良い。日本の龍虎。
アとしてではなく、二輪用な
らばこれで決まりさ!(マッチ
はなぜ沈黙している)。
(復元物)を見て、旧友と歴史
話にちょい花が咲く。
だぜ、と。
の年だ。
じなので、会話に違和感ゼロ。
特に学生時代の俺の周囲はたま
たまだろうが知的かつ博識な奴
らが多かったので、日々が常に
勉強になった。
そして、何気ない会話が対話へ
とごく自然に違和感なく深化し
て行く。
左の赤いカワサキは「オート
ハインド
歩いた時、ちょいとフォーム
それとなく指摘したら、翌日
十年も無転倒を継続させる
秘訣だろうね。
みなかった」とか言ってた。
なぁ、と。
しまなみ海道(高速道路)
てるのですが、来島(くるしま)
2車線になります。
ゼロに戻りますが、次回
免許更新ではブルー免許に
なる。
がいて、遅いからと橋上
でも抜かないほうがいい。
る。