大阪府や埼玉県の古墳群は
平地にあり、古墳灌漑用水
説も説得力を持つ。
古墳は陵墓であると同時に
広大な土地を開墾する為の
土木事業の土壌集積建造物
であるという説。
環濠仕様の前方後円墳だけ
でなく、古墳の周囲には必
ず人工池と田園地帯が存在
する事もそれに符合する。
だが、福岡県行橋(ゆくはし)
市の古墳群のように、山岳
丘陵地帯に古墳が群として
存在するケースもある。
山の中に古墳があるのであ
る。
これらのケースは「古墳灌
漑事業説」では説明がつか
ない。
わざわざ池や農業用水用に
掘った土を山の中に運ぶ理
由が不鮮明だからだ。
「古墳=灌漑用水説」は日本
各地の古墳のある一面性につ
いては説得力を持つが、国内
の全古墳に該当する全面的に
妥当な説とはいえない面もあ
ると思われる。
(福岡県行橋市の古墳群)