
九州東海から順次梅雨入りだ。
デジタルリマスター版の功績。
1962年作品、今から61年前の
映画なのに、まるで昨年撮影
したかのように映像がクリア
だ。
デジタルリマスター処理、凄い。
時代は20世紀初頭のアメリカ西部。
町ではカーニバルが開催されて
おり、サーカス一座や街中での
ロードレース(競馬+ラクダ)が
行なわれている。
出見世や物売りも多く出ていて、
射的屋もある。
射的屋でかつての名保安官と宣伝
している店のオヤジと勝負する
祭り客。
回転する的の指定した皿を狙う
のだが、腕が段違いで客は負け
る。
「女の赤子の手をひねるよりも
簡単だ。
Can you try again?」
オヤジのドヤ顔に客はふてくさ
れてピースメーカーを投げ捨て
て立ち去る。
だが実はカラクリがある。
射的屋のオヤジは、町に現れた
旧友の本物の元保安官に見抜か
れて叱責されてしまう。
射的屋が元保安官という触れ込み
宣伝も出鱈目だ。
「ダッジシティではワイアット・
アープに会ったのか?」
「宣伝だよ。たかがゲームだ」
「何がゲームだ。バックショット
(散弾)なんか使いやがって」
なるほどなぁ、と。
『バック・トゥー・ザ・フュー
チャー3』の祭りのシーンで
マーティが射的屋でピースメー
カーを連発命中させるのは、
本作品へのオマージュとパロ
ディだったんだ。
本作品、かなり面白い展開だ。
20世紀初頭なので、西部開拓
時代は終わっているが、まだ
西部の田舎の街中ではガンマン
たちは拳銃をぶら下げて歩い
ている。
ただし、街には電灯が灯り、
自動車が走っている。
T型フォード以前の車が出て
来るから、時代設定は1909年
より前だろう。
日本では1882年にはガス灯の
次世代の電灯が東京に灯って
いた。明るさは、明るすぎて
驚かれたガス灯の10倍以上も
明るく、当時の人たちはかなり
驚いたという。東京銀座が日本
初の電灯の街灯が光った場所
だった。アーク灯と呼ばれた。
アメリカでは西部開拓時代の
真っ只中だ。
アメリカのフロンティア消滅
は諸説あるが、一応1890年の
牛の取引がフロンティア消滅
の年という説が有力だ。
しかし、その後も、1900年代
に入っても、西部の田舎町は
開拓時代のような空気だった。
大きく様変わりするのは、第
一次世界大戦あたりからだ。
コルトM1877はダブルアクション
だ。
だが、正確な射撃の際にはシン
グルアクションも可能。便利だ。
シングルアクション。
映画『ヤングガン2』(1990)から。
ダブルアクション。
外見はパッと見はM1873 SAA
に似ている。