『福島第1原発:厚労省の「荒茶」検査要請 静岡知事が拒否』
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110519k0000m040082000c.html
『「荒茶の検査やめて」 静岡県が厚労相に要望書、神奈川県も提出』
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110518ddm041040116000c.html
過去のこととは言え、お茶屋の息子として、この事態を本当に心苦しく思います。
うちが売っていたのは、静岡茶でした。
当然、安全でしたし、美味しいし、お店に来てくれたお客さんは勿論、
ちょうど今頃の新茶の季節などは、お盆を持ってお店の前に立ち、通りかかったお客さんに、
誇りをもって「美味しい新茶です。お茶、飲んでいって下さいー」って、僕もエプロンして手伝いをしていました。
下町の商店街、皆さん、ご近所さんですから、「あら、ケンちゃん、お手伝い?えらいわねー。頂くわね。」なんて顔見知りのおばさんがいたりして、
「じゃあ、一袋もらっていくわね」って、買っていってくれたものです。
「ありがとうございましたー!」
家の中には茶箪笥が沢山あって、言ってみれば家中で一年中、お茶の香りがしてました。
新茶の香りは、深い香りのする(お値段の高い)玉露茶なんかと比べると、まだ青っぽくてね、これがまた、爽やかな香りなんです。
お味は、美味しいっていうよりは、これまた香り同様、さっぱりとしてて、飲みやすいのですよね。
まあ、ワインで言えばボジョレ-・ヌーヴォーみたいなもので、味そのものを楽しむというよりは、今年の新たな収穫を喜ぶ、お祭りというか、そういう位置づけだったように思います。
「また、一年、よろしくね。」
みたいな。
もうね、ほんと切ないです。
なんて事故が起こってしまったのでしょうか。
正直、涙が出ます。
写真は、昨年亡くなった、岩手の祖母の家でのもの。祖母が愛用していた急須と湯のみです。母が、静岡のお茶、送ってたんですよ。
堂々と、検査してほしいです。自分たちのせいではないのですから。
そして、問題が出るようなら、生活を守るためにも、堂々と破棄し、堂々と東電に賠償を求めるべきです。
その賠償をどう補填していくのかは、今後議論されるでしょう。もしかしたら国民が(一時的か恒久的かはわかりませんが)、負担するのかもしれません。でも、それは、相身互い。狭い日本、いつどこで、どんな震災や事故がおこるのかわからないのですから、助け合っていきましょう。
とにかく、目先のことにとらわれ、静岡茶の長い歴史に、その名に、傷をつけてしまっては、取り返しがつきませんから。
これからも、愛され続ける日本の良きお茶であって欲しいです。
信用を失わないよう、判断を誤らないでほしいです。
お茶を(・・・勿論それ以外にも、全ての食べ物や、飲み物もですけど)、心から愛するものとして、切に願います。
ではー。