さて、香港のその後なのですが。
まず、香港でとっても気になった、というか、興味深かったことを一つ。
先日の九龍のビルの写真もそうだったんですが、とにかく、大活躍なんです。
・・・竹が。
高い看板の足場も竹。
こんなお店の上も。
バス停も埋もれるほど。
竹のトンネル。
がしかし、凄いのがですね。
この、脚の、先っぽ。
はい、どうぞ。
どうですか、これ 。
尖がってるんですよ。
一点で支えてるんですよ。
ちょっと別角度から。
レンガ・ブロックの隙間に挿して、固定しているのだろうか。
基本的に、地震が無い国、ということで、これで一般化しているのだと思いますが、
それにしても、誰かが当たったり、酔って蹴っ飛ばしたりしちゃったら、ずれそうですよね。
「これでよし!」としてしまっているのが、凄いですよ。
地震がないので、自信がある。
みたいなー。
でもこれで、
ここまでやっちゃう。
というか、要するに、節約してるとかじゃなくて、
日本のような「鉄の足場」というものが、こちらには、一切ないのですな。
前に、知り合いのミュージシャンに、
「中国にコンサートしに行ってさ、ステージで上を見上げたら、照明を吊るしてるバトンが竹なんだよ!」
「うわー、すごいね、信じられん。」
「こわかったよー」
なんて会話がありましたが、あながち嘘じゃなかったということですね。
しかし、中国では地震は・・・あるんじゃ・・・。
で、靴ですよね。
そーなんですよ、結局ね、ビール飲んでから、
「これで帰るのもなあ」と思って、歩くことにしました。
こういうの、ビジネスビルとかじゃなくて、アパートなんだそうですねー。
なんか、色々と漫画のキャラクターみたいのがあったのですが、やはり、カンフーの国なんですなあ。
良く見ると、確かにチャイナ服。
公園は、立派ではありましたが、取り立てて何もなく(笑)、近所に住んでいれば憩いの場所なんだと思いますが、
パッカパッカしてる僕はちょっと余裕がなく(笑)、
この広さにちょっと「しまったか」と。
暑かったので、プールがちょっと羨ましい。
いっそこのパッカパッカを脱ぎ捨てて、飛び込んでしまいたい・・・。
ようやく、公園終了。
ええい、
KARAKUCHI!(もう一杯飲むんじゃおうかー)
さて、この後、ふと買いたいものを思い出しまして、もう一度、イスラムビルへ行ったのですが、目当てのものは無く、
そろそろ、帰ることに。
ほんと、夜景の時にまた来なきゃね。
今度はフェリーは出ちゃったばかりでした。
待つ事15分くらいだったかな。
ざざざー。
やあ、帰ってきたよ、香港島。
・・・と、ここで大異変。
さっきまで、パッカパッカだった靴が、なぜかフェリーを降りたとたんに、
バッカンバッカン、に。
恐る恐る、見ると、
もう、半分、剥がれてる!
そしてここからが凄かった。
数歩、歩くごとに、音が変わるのです(笑)。
踵の重みが、だんだんと慣性の法則で、靴底を加速度的に剥がしていったのです。
ホラーだ(笑)。
もう、待ったなし。
全部剥がれたら、
・・・歩きづらい!
もう、だいぶ片足ひきずってましたけどね、この時点で。
だって、勢いよく脚を上げただけで、靴底、ペローンッって、飛んでいきそうだったんですから(笑)。
「これはもう、ホテルまで持たないな」(←フェリーの桟橋から、歩いて15分ほど)
応急処置・・・するにしても「(ハンカチじゃ無理だな)」
ということで、ヒモかなにかを探すことにしました。
すると、僕の目の前に、なんと救世主が。
はい、
楽器屋さん、発見。「TOM LEE MUSIC」とあります。
「楽器屋さんなら、あるだろう!ヒモ!」(商品の梱包に使うはず、と。)
と、左足を、ズーッ、ズーッっと引き摺るようにして、この楽器屋さんを目指しました。
わずか数十メートルが、遠かった(笑)。
店内に入りますと、ギターやら、ベースやら、キーボードやらがずらり。
いわゆる、日本にあるような普通の楽器屋さんです。
(落ち着くな)
と思いつつも、脚を引きずりながら(わからないように僅かにね)、
目で素早く店内確認。
すると、
なんと、輪ゴムを発見!
しかも、沢山ある!太いのもある!径の大きいのもあるから、使えるぞ!
顏を上げて振り返ると、店長さんらしき、60歳くらいのおじさんが、じっと、こちらを見ておりました。
楽器そっちのけで、輪ゴムに異常な興味を示す、日本人。
そりゃ、「なんだあいつ」って思いますよね。さっきから、脚引き摺って、店内をうろうろしてるし。
僕は、また数メートル、その店長さんらしき方に擦り寄っていって(まさに、擦り寄った)、
「あのー、輪ゴムを一本、くれませんか?(Excuse me, Could you give me a gom band?)」
すると、一瞬「?」という顏をしたので、
「Please, look」
と、ジーンズをめくって、ベロンと(もはや、三分の二は剥がれているのでありました)底の剥がれた靴を見せますと、
「Ahaha!」と笑ってくれたので
「ホテルに帰るまで位、持たせたいんですよ。」と説明しますと、
「OK, OK」と、輪ゴムを取りに行ってくれて、10本ほど手渡してくれたのでした。
・・・助かったー!良かった、良かった。
良く良くお礼を言いまして、ついでに・・・
「僕、日本から来たミュージシャンで、キーボード弾いてるんです。コンサートの仕事で来たんですけど、今日、帰る前にと、散歩で九龍に行ったんだけど、こんなになっちゃって。」
と、バッグに入っていた、安全地帯さんのバックステージパスを見せましたら、
「おお、安全地帯!知ってるよ!昨夜、そこのコンベンションセンターでライブやったんだろ?」
と。
後で知ったのですが、僕と数十分の時間差で、六土さんもこの楽器屋さんに来ていたらしく、この輪ゴムの話をしますと、「ああ、そういえば、楽譜売場に俺たちの楽譜があったしなあ。でも良かったね(笑)」って仰ってくれました。
さすが安全地帯。
ということで、めでたくパッカパッカは留まり(10本の輪ゴムで)、
まだ、少し踵は浮くものの、だいぶ歩きやすくなったので、
「よし、集合時間の前に、お昼食べに行こう」
と、僕は、また街に歩き出したのでありました。
(・・・あとでホテルに着いて、靴を脱いでみますと、輪ゴムの後が、ちょっと青く、くっきりと足に(笑))
さて、お昼のお話は、またー。
ではー。