![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/be/e65edfb99ebb8b48539728038c129614.jpg)
そう、僕もよく、自分の下手なイラストを
「画伯が描きました![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
」などと言ってうそぶいておりますが、
今日は、血の繋がっている、本物の方のお話です
。
今日、母の個展に、行ってまいりました。
なんとはいっても家族の事ですから、大きな声で言うのははばかられるのですが、
正直、素晴らしかったです。
「こんな絵を、こんなに沢山、描いてたんだ。」
僕を生んだ母ですが、僕が知らない母を見るようでした。
もう、かれこれ二十五年、描いているということですが、
それでも絵を始めた年齢としては、そう早いものではないと思います。
僕が、大学に入った頃、ということになります。
特に、僕が実家を出てから、特に熱心に絵の世界に入っていっていたように思います。
「絵が面白い」
と言い、デッサンや色に関する本(まさに教則本?)のようなものが、少しですが、家にあるようになりました。
それでも、家事などの合間に書いていたのだと思います。
というのは、少なくとも僕が実家にいる時代の話ですが、絵を描いている母を、あまり見ていないんですよね。
お茶屋さん(お茶の葉っぱを売る方ね。京都のほうのお茶屋さんではなくて。)の仕事もしてましたしね。
そのうち、電話で話をすると、
「こんど展覧会に出してみようとおもう」
などという話を聞いたかと思えば、その数年後には、
「入賞したー」
と。
そのあたりから、今度は毎年、
「会長賞をもらった!」「特別賞をもらった!」「審査委員賞だった!」
などと、毎年のように賞をもらうようになり、
そのうち、
「審査員になった!」
といいました。
そして、そのうち、「私になんか無理ですよ、と断っても断っても、どうしても教えて欲しいって言ってくれる人がいるので」と、自分の教室を持って教えるようになり、
数年前からは、時々、外に教えに行ったりもしているようです。
また、自分も、「すごいのよ。」という先生の教室に、通ってもいるようです。
わが身内ながら、よくもまあ、これだけ打ち込んだものだ、と感心します。
何事も、ただ何もしないで上達するということはありませんので、
もう、本当に相当な数、キャンバスに向かって、考え、悩み、葛藤し、自分と戦い、時に大きな光を見出したり、でもまた挫折したり……この繰り返しをやったのだと思います。
思い起こせば、僕がまだ小さい頃。5歳とか、6歳とか、そういう頃。
その頃住んでいたの家の、食器棚の上あたりに、一枚の静物画がありました。
そんなに大きくも無い、幾つかの果物を書いた油絵でした。
僕が「あれはなに?」ときくと、
「あれは、おかあさんが、学生の時に描いたものなの」
そして、
「おかあさんね、またいつか、絵を描きたいなー、って思ってるのよ」
と、何度か、この話を聞いた覚えがあるのです。
「やりたいんだったら、やればいいのに!」
と子ども心にも思いましたし、その時も、そう言ったような記憶があります。
母は「そうね、いつかね」と答えたように記憶しています。
やはり小学生低学年の頃、ゴッホ展を観に、上野の美術館に連れて行ってもらった記憶があります。他にも連れて行ってもらったかな?
…僕は、どちらかと言えば、やはり科学博物館の方が好きでしたけどね。恐竜の化石とか
、宇宙とか
(笑)。
家には、画家の画集が沢山ありましたから(20巻くらいの全集みたいのが、大小、メーカー違いで何セットかありました)、母は、本当に絵が好きだったのでしょう。
皆、同じように見えて、違ったのでしょうねえ(・・・僕が、キーボードを40台とか持ってるのと一緒かな(笑))
僕は……展覧会に行ったゴッホは、「展覧会に行ったので」好きでしたが(←実際に見ると、絵でも音楽でも何でも、親しみが沸くものですよね(笑))、
その当時、とにかく特別好き、というか、惹かれて何度も画集を開いていたのは、ダリでした(←なんとなく、プログレっぽいですよね(笑))。
あ、ちょっと話が横道(マニアックな方へ(笑))逸れそうですので戻しますが、
ともあれ、そんな若いころの淡き夢を心に持ったまま、僕を育て、その後、14歳ほど歳の離れた弟を育て、
また本格的に絵を始めた母が、いよいよ個展を開くというのです。
不肖、普段親不孝ばかりしている息子としては、
この僕を生み、育ててくれた手で描いた絵を、観に行かねばと、今日行ってきたわけです。
また、自分が弾いたピアノが、絵の邪魔をしていないかも非常に気になっており……(笑)。
結果、絵はとても素晴らしいものでした。
ほとんどの絵は、僕も初めて見るもので、相当数、今回の個展の為に描き下ろした(という言葉があるかは知りませんが)ものだと思います。
「へえ、こんな絵を描くのか」
というものが、何点もありました。
そして、
「(母らしいな)」
と思う絵も、沢山、見ることができました。
僕の好きな、
光の中に配置された、色鮮やかな花たちの絵。
絵は、心が、一番良く現れると言いますよね(心理テストなどでも良く使われます)。
僕は、母の絵が、そして、母の絵を通してみる母の心が、
このまま、ずっと光溢れるものであってくれれば、豊かな色彩に彩られたものであってくれれば、
それだけで安心です。
と、親不孝の救いを、絵にばかり求めちゃいけませんけどね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
(笑)。
会場では、僕の弾いたピアノ(生のピアノの音ではなくて、より柔らかい、エレクトリック・ピアノの音を使いました。)が7曲ほどと(25分ほど)、その後、
僕がセレクトした、キース・ジャレットの、大好きなあの黒いジャケットのアルバム(こちらは本物のピアノね。こちらは55分ほどあります)が、繰り返し、交互に流れています。どっちがどっちかは、音色で分かると思います。というか、(圧倒的に)上手な方がキースに決まってますが
(笑)。
……はい、今日絵を見ながら、耳を10センチくらいそばだてて確認しましたところ、
キースは最高でしたが、本当に僕のピアノが邪魔してないか(笑)、よろしかったら、是非、みなさなにも、会場に足をお運び頂ければ幸いです。
銀ブラ(←古い(笑))のついでにでも。勿論、入場は無料ですので。
僕も、期間中に、もう一度くらいは行きたいな、と思っております
。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/39/6680a6652a8dc4e59543ad0a89850d15.jpg)
「川村恵子 水彩画展」
2012年12月3日(月)~9日(日) 11:00~18:30(最終日は16:30まで)
銀座 渋谷画廊にて
東京都中央区銀座7-8-1 渋谷ビル2F
03-3571-0140
(会期中はずっと母がいます。よろしかったら「川村ケンのブログを見て来た」とひと声かけてやってください。きっと喜ぶと思います。)
ちなみに、学生の時の母の絵は油絵でした。
そして、再開した時も、最初は油絵だったそうです。
しかし、その後、水彩画へ。
「なんで、油絵じゃなくて、水彩画?」
と訊きますと
「油絵と違うのは、水彩は一度描いたら、それでもう、やり直しがきかないところ。一度限り。だから実は、水彩の方が難しいのよ。……そして、だから面白いのよ」
なるほどです。
僕は、その場限りのインプロヴィゼーションでピアノを弾くキースが大好きです。
なるほど、僕の母だ
。
あ、……というか、僕が、母の子だったのでしたね![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
(笑)。
ではー。