

絵本「百万回生きた猫」の作者です。
私はこの絵本を部下の女の子が結婚するときに結婚祝いにつけて贈った事が何回かあります。最近はそんな部下ももういなくて自らの歳を感じるばかりですが。
私の友人で、飲んでいるときにこの本がいいと話したら、すぐに本を買ってきて当時付き合っていた今の嫁さんに贈ったというのがいて、その行動力に驚きましたが、この本にはそれだけの魅力があると思います。
記憶がある人は少ないかもしれませんがジュリーが主演してミュージカルにもなっています。
100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで、100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が、そのねこを かわいがり、100万人の
人が、そのねこが しんだとき なきました。
ねこは、一回も なきませんでした。
という出だしで始まる物語は、誰よりも自分が好きな猫が、白い猫に出会い
白い猫と一緒にいつまでも生きていきたいと思うようになります。
その白い猫が死んだ時、猫ははじめてなきました。100万回もなきました。
そして猫は白い猫の隣で、静かに動かなくなりました。
ねこは もう けっして 生きかえりませんでした。
19977年初版で、私の持っている本は1997年で42刷でした。今でもずっと版を重ねていると思います。
小学校の教科書には「おじさんのかさ」という物語が載っていて、子供が小学生のときに読んでやった記憶があります。
最近はエッセイを多く出していて、私も図書館で見つけると借りてきて「覚えていない」とか「神も仏もありませぬ」などを面白く読みました。年齢を重ねて、怖いものなしのパワーが炸裂しています。母親のことを書いた「シズコさん」はこのブログでも取り上げていたはずです。
最近のエッセイでがんを告知され余命2年くらいというのを読んだのですが、予想外に早くちょっとびっくりしています。72歳というと長寿社会の今ではまだまだこれからと思うのですが、ご本人はもう十分だよと思っているのかもしれません。
愛読者というほどのこともないのですが、なんか心の中の大事なものをなくしたような気がしています。謹んでお悔やみ申し上げます。