大沢在昌の狩人シリーズ「北の狩人」「砂の狩人」に続く3作目です。新宿署の刑事佐江が事件解決に奔走します。もっとも全2作は読んだかもしれませんが全く覚えない。
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今回新宿署組織犯罪対策課刑事の佐江警部補と組むのは通訳を兼ねての捜査補助員の正体不明の中国人毛。最初は中国公安部のスパイと疑われている帰化希望の宋のはずだったのですが、どうやら違っていておいおいその正体が分かってきます。そこに絡んでくるのが外務省の中国課職員の野瀬由紀。
佐江が捜査するのは中国人の連続殺人事件で、なぜか公安部外事2課の特命事件として毛を通訳として使うことを命じられ、割り切れぬまま従事します。被害者の共通点は左脇下の「五岳聖山」の入れ墨。
文庫本で上下2冊、それぞれ500ページ余りの長編ですが、話の展開が早くて途中でやめることが出来ずに読んでしまいました。
出てくるのが中国人が多くて、しかも複数の名前を使う者もいたりして、どうも頭の中がこんがらがってしまいます。日本に浸透している中国裏社会と中国国家安全部の暗躍などはいかにも本当らしいのですが、中国人黒社会と国家安全部の錯綜する思惑と暴力団も絡んで二転三転する展開にこれはもう細部はよく分からないままスルーして勢いで読んでいくしかない。殺人事件の発端となった5人の「五岳聖山」の盟約は目的は分かったのですが、どういう理由でそのグループが出来、具体的に何をやっているのかどうも分からず、私としては不完全燃焼。刺青があるのは5人として、普通国家安全部ににらまれるような反中国的な活動として何かを行うのなら5人だけではできることは限られていてそれなりの同志の広がりがあるはず。殺されるような活動実績があったはずですが、そのことは触れられていません。
日本の公安警察も中国の国家安全部も犯罪捜査というよりも情報戦をしかけ水面下で何をやっているか分からないところが不気味さを増幅しています。
さらに外務省職員の野瀬がどうしてここに頭を突っ込んでくるのか、行動として納得できないですし、修羅場でビビってしまうお嬢さんの危うい探偵ごっこのようでバカなことをやって自分だけでなくみんなを危険にさらしているのは、とても共感できませんでした。美人は多少のことは許されてみんながやさしく面倒みてしまうのは、なんだかな~
読んでいくと前にどうなっているのか思い出せずにいろいろ腑に落ちないところがあったのですが、前に戻って確かめるのを許さないスピード感ある展開で細かい突っ込みどころは気にせずにとにかく分厚い上下2巻を読ませる筆力はさすが大沢在昌さん。
今日のように朝から雨で家でゴロゴロしているしかない時に読むには最適でした。今度シリーズ全2作を読んでみます。
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今回新宿署組織犯罪対策課刑事の佐江警部補と組むのは通訳を兼ねての捜査補助員の正体不明の中国人毛。最初は中国公安部のスパイと疑われている帰化希望の宋のはずだったのですが、どうやら違っていておいおいその正体が分かってきます。そこに絡んでくるのが外務省の中国課職員の野瀬由紀。
佐江が捜査するのは中国人の連続殺人事件で、なぜか公安部外事2課の特命事件として毛を通訳として使うことを命じられ、割り切れぬまま従事します。被害者の共通点は左脇下の「五岳聖山」の入れ墨。
文庫本で上下2冊、それぞれ500ページ余りの長編ですが、話の展開が早くて途中でやめることが出来ずに読んでしまいました。
出てくるのが中国人が多くて、しかも複数の名前を使う者もいたりして、どうも頭の中がこんがらがってしまいます。日本に浸透している中国裏社会と中国国家安全部の暗躍などはいかにも本当らしいのですが、中国人黒社会と国家安全部の錯綜する思惑と暴力団も絡んで二転三転する展開にこれはもう細部はよく分からないままスルーして勢いで読んでいくしかない。殺人事件の発端となった5人の「五岳聖山」の盟約は目的は分かったのですが、どういう理由でそのグループが出来、具体的に何をやっているのかどうも分からず、私としては不完全燃焼。刺青があるのは5人として、普通国家安全部ににらまれるような反中国的な活動として何かを行うのなら5人だけではできることは限られていてそれなりの同志の広がりがあるはず。殺されるような活動実績があったはずですが、そのことは触れられていません。
日本の公安警察も中国の国家安全部も犯罪捜査というよりも情報戦をしかけ水面下で何をやっているか分からないところが不気味さを増幅しています。
さらに外務省職員の野瀬がどうしてここに頭を突っ込んでくるのか、行動として納得できないですし、修羅場でビビってしまうお嬢さんの危うい探偵ごっこのようでバカなことをやって自分だけでなくみんなを危険にさらしているのは、とても共感できませんでした。美人は多少のことは許されてみんながやさしく面倒みてしまうのは、なんだかな~
読んでいくと前にどうなっているのか思い出せずにいろいろ腑に落ちないところがあったのですが、前に戻って確かめるのを許さないスピード感ある展開で細かい突っ込みどころは気にせずにとにかく分厚い上下2巻を読ませる筆力はさすが大沢在昌さん。
今日のように朝から雨で家でゴロゴロしているしかない時に読むには最適でした。今度シリーズ全2作を読んでみます。