アメリカの農業というと大規模単作でコンバインとかトラクターの大型機械化が進み高い生産性を誇っている。当然ながら化学肥料とか除草剤とかはバンバン使い、遺伝子組み換え作物も取り入れている。
ところがそんなアメリカでは土壌流失が大きな問題になっている。
農家は肥料代とか機械の維持管理・更新に多額の支出が必要で、経営に四苦八苦しているところも多い。
この本の著者も従来からのやり方での農業経営が行き詰まり負債が積み上がり倒産寸前になってから、思い切って不耕起農業を取り入れた。
学者としてではなくて農業に携わる経営者として新しい農法に邁進していく姿が述べられていく。
それでも今までのやり方を変えて新しいことを取り入れるのに、いきなりではなく最初は部分的に試してみて、試行錯誤する中で上手く行けば徐々に広げていく。
まさに農業経営者として失敗しないやり方です。
この中で何度も言っているのはドン・キャンベルという畜産家の講演で聞いた「小さな変化を生み出したいなら、やり方を変えればいい。大きな変化を生み出したいなら、見方を変えなければ」という言葉。見方を変えて大きな変化を生み出す農業を実践しています。残念ながら私はやり方を変える小さな変化は多少生み出せたのですが、見方を変えて大きな変化を生み出す能力はありませんでしたし、そう言うことにチャレンジする気概もなかったのですけど…
で、不耕起農法で目指したものとは題名にある通り「土つくり」。長い年月をかけて自然が作り出してきた健康な土には、たくさんの微生物がいて保水力もある。生態系を無視して、機械を駆使して耕し、化学肥料を投入し、除草剤を撒くことによって土を台無しにしている。
著者は、生態系をよみがえらせて、持続可能なものにすることが必要で、そのための土の健康に欠かせない5原則をあげています。
1.土をかき乱さない
2.土を覆う
3.多様性を高める
4.土の中に生きた根を保つ
5.動物を組み込む
この原則に基づきたどり着いた農業を、リジェネラティブ農業と称している。
具体的には、その土地の風土気候に適したブレンドをしたカバークロップを植えて土地を覆う。これによって菌根菌が働き有機物含有量は飛躍的に上がった。そこに高密度の輪換放牧を行って、さらに有機物含有量が増えた。ここに至るまでに草のブレンドについても放牧の密度についても慎重に最初は小規模で試行錯誤をして最適解を見つけようとしている。もちろん土の状態を随時検査で調べてもしていて、フィードバックしている。失敗もいろいろあったみたいですが、それはそれでちゃんと検証して学んでいる。自分で考えるだけでなくいろいろな先輩や研究者にも相談し研究している姿は農業をやらなければ企業経営者としても成功するのだろうと思われる。
農業経営的にはこうして不耕起無農薬農業を行うことによって、人手をかけることなく化学肥料などのもろもろの費用が不要になり、トラクターなどの機械も不要になり、家畜のえさ代もほとんど自前で賄えるので、土地を多様に活用でき収益性が大きく向上する。収量拡大だけを目指すのではなくトータルで土地の収益性をいかに上げるかという経営者の視点が貫かれている。
加えて販路についても健康な草で育ち抗生物質もホルモンもワクチンも使わない肉牛をブランド化して売るために自らで会社も作っている。
こうした著者の農場の成功を見て全米各地から各地から見学者が絶えず、遂には見学者は有料にまでしている。農閑期には講演にも飛び回っていて家に落ち着く暇もないみたいです。もはやリジェネラティブ農業の伝道師ですが、それだけ自分のやり方、見方に自信があり、以前の自分が苦しんでいたような農家を救いたいという使命感があるのだろう。
それでもみんな自分のところの農場は条件は違うのでこんなにうまくは行かないと言うのが聴衆の第一印象みたいです。問題なのはその土地土地にあった自然な生態系に即した健康な土をどう作るかであって、著者のやり方を機械的にまねるのではなく試行錯誤しながらいい方法を見つけていくこと。苦労しながら実践してきただけあってちゃんと自ら努力しなさいと言っている。
著者の農場の実践を具体的詳細に書いてあり、若干宣伝臭もあるけれど具体的だけに読みやすく腹に落ちます。でも最初に農園の写真があって隣の農園と比較できるのですが、隣の人は何故著者のやり方をまねずに今も慣行農業をやっているのでしょう。意識低い系なの?
この土つくりは日本の農業に応用しようとしたらどうすればいいのかというのも考えさせられます。家庭菜園でも実践できると書いてありますけどどうなのでしょう?
この本を読んだ家庭菜園をしている人は一度実践してみてリポートしてくれるとありがたいですね。
一緒に写っているのは「中世日本の内と外」です。中世では国境はある意味グレーゾーンがあって、朝鮮南部、済州島、対馬、五島列島あたりは自由に行き来していた。倭寇については日本人ばかりではなく朝鮮、中国の海洋民は時々の都合のいい国を名乗っていた。元寇については元の領土拡大運動という面では朝鮮、ベトナムでの頑強な抵抗があり、日本だけが抵抗して勝利したと言うのではなくアジア全体の中で見ることが必要。その面では新しい知見ですので、元寇に興味があれば読んでみてください。
ところがそんなアメリカでは土壌流失が大きな問題になっている。
農家は肥料代とか機械の維持管理・更新に多額の支出が必要で、経営に四苦八苦しているところも多い。
この本の著者も従来からのやり方での農業経営が行き詰まり負債が積み上がり倒産寸前になってから、思い切って不耕起農業を取り入れた。
学者としてではなくて農業に携わる経営者として新しい農法に邁進していく姿が述べられていく。
それでも今までのやり方を変えて新しいことを取り入れるのに、いきなりではなく最初は部分的に試してみて、試行錯誤する中で上手く行けば徐々に広げていく。
まさに農業経営者として失敗しないやり方です。
この中で何度も言っているのはドン・キャンベルという畜産家の講演で聞いた「小さな変化を生み出したいなら、やり方を変えればいい。大きな変化を生み出したいなら、見方を変えなければ」という言葉。見方を変えて大きな変化を生み出す農業を実践しています。残念ながら私はやり方を変える小さな変化は多少生み出せたのですが、見方を変えて大きな変化を生み出す能力はありませんでしたし、そう言うことにチャレンジする気概もなかったのですけど…
で、不耕起農法で目指したものとは題名にある通り「土つくり」。長い年月をかけて自然が作り出してきた健康な土には、たくさんの微生物がいて保水力もある。生態系を無視して、機械を駆使して耕し、化学肥料を投入し、除草剤を撒くことによって土を台無しにしている。
著者は、生態系をよみがえらせて、持続可能なものにすることが必要で、そのための土の健康に欠かせない5原則をあげています。
1.土をかき乱さない
2.土を覆う
3.多様性を高める
4.土の中に生きた根を保つ
5.動物を組み込む
この原則に基づきたどり着いた農業を、リジェネラティブ農業と称している。
具体的には、その土地の風土気候に適したブレンドをしたカバークロップを植えて土地を覆う。これによって菌根菌が働き有機物含有量は飛躍的に上がった。そこに高密度の輪換放牧を行って、さらに有機物含有量が増えた。ここに至るまでに草のブレンドについても放牧の密度についても慎重に最初は小規模で試行錯誤をして最適解を見つけようとしている。もちろん土の状態を随時検査で調べてもしていて、フィードバックしている。失敗もいろいろあったみたいですが、それはそれでちゃんと検証して学んでいる。自分で考えるだけでなくいろいろな先輩や研究者にも相談し研究している姿は農業をやらなければ企業経営者としても成功するのだろうと思われる。
農業経営的にはこうして不耕起無農薬農業を行うことによって、人手をかけることなく化学肥料などのもろもろの費用が不要になり、トラクターなどの機械も不要になり、家畜のえさ代もほとんど自前で賄えるので、土地を多様に活用でき収益性が大きく向上する。収量拡大だけを目指すのではなくトータルで土地の収益性をいかに上げるかという経営者の視点が貫かれている。
加えて販路についても健康な草で育ち抗生物質もホルモンもワクチンも使わない肉牛をブランド化して売るために自らで会社も作っている。
こうした著者の農場の成功を見て全米各地から各地から見学者が絶えず、遂には見学者は有料にまでしている。農閑期には講演にも飛び回っていて家に落ち着く暇もないみたいです。もはやリジェネラティブ農業の伝道師ですが、それだけ自分のやり方、見方に自信があり、以前の自分が苦しんでいたような農家を救いたいという使命感があるのだろう。
それでもみんな自分のところの農場は条件は違うのでこんなにうまくは行かないと言うのが聴衆の第一印象みたいです。問題なのはその土地土地にあった自然な生態系に即した健康な土をどう作るかであって、著者のやり方を機械的にまねるのではなく試行錯誤しながらいい方法を見つけていくこと。苦労しながら実践してきただけあってちゃんと自ら努力しなさいと言っている。
著者の農場の実践を具体的詳細に書いてあり、若干宣伝臭もあるけれど具体的だけに読みやすく腹に落ちます。でも最初に農園の写真があって隣の農園と比較できるのですが、隣の人は何故著者のやり方をまねずに今も慣行農業をやっているのでしょう。意識低い系なの?
この土つくりは日本の農業に応用しようとしたらどうすればいいのかというのも考えさせられます。家庭菜園でも実践できると書いてありますけどどうなのでしょう?
この本を読んだ家庭菜園をしている人は一度実践してみてリポートしてくれるとありがたいですね。
一緒に写っているのは「中世日本の内と外」です。中世では国境はある意味グレーゾーンがあって、朝鮮南部、済州島、対馬、五島列島あたりは自由に行き来していた。倭寇については日本人ばかりではなく朝鮮、中国の海洋民は時々の都合のいい国を名乗っていた。元寇については元の領土拡大運動という面では朝鮮、ベトナムでの頑強な抵抗があり、日本だけが抵抗して勝利したと言うのではなくアジア全体の中で見ることが必要。その面では新しい知見ですので、元寇に興味があれば読んでみてください。
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