く~にゃん雑記帳

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<コデマリ(小手鞠)> バラ科シモツケ属 「スズカケ」「団子花」の異名も

2013年05月10日 | 花の四季

【中国から渡来、「オオデマリ」は類縁じゃない!】

 細くしなる枝に小さな花の塊をたくさん付けるコデマリ。「小手鞠」の名はその花姿による。漢字では「小粉団」とも書く。古くは「スズカケ(鈴掛)」とも呼ばれた。小さな鈴を枝に掛けているように見えるからだろうか。「ダンゴバナ(団子花)」の異名もある。清楚で品もあることから、古くから花材や茶花として用いられてきた。

 原産地は中国中部だが、日本にやって来た時期ははっきりしない。ただ、1681年に出版された我が国最初の園芸書「花壇綱目」(水野元勝著)に「小手鞠」として、少し前の俳諧辞典「毛吹草(けふきぐさ)」(松江重頼編)には「すずかけの花」として紹介されている。さらに1713年出版の「俳諧・滑稽雑談」には「和名鈴掛、また小手鞠とも云う」と出てくる。このため遅くとも江戸時代初期までに渡来していたのは間違いない。

 バラ科シモツケ属。4~5月、前年伸びた枝の上に白い花15~20輪が集まって直径3cmほどの花を付ける。同じ仲間にシモツケやユキヤナギ、イワガサ、シジミバナなど。花が大きくてよく似たものにオオデマリ(大手鞠)があるが、こちらはスイカズラ科で、コデマリとは全く別の植物。オオデマリは日本の中部以西から台湾、中国にかけて自生する。別称「テマリバナ」。

 「小でまりの花に風いで来りけり」。俳人久保田万太郎(1889~1963年)は生涯に8100句余を作ったといわれるが、これが最後の句になった。63年5月6日、梅原龍三郎画伯邸で会食中、食べたものが喉に詰まり誤嚥による窒息で不慮の死を遂げた。享年73。没後「こでまり抄」のタイトルで久保田万太郎句集が出版された。

  

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