く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ホオノキ(朴の木)> 高い梢の頂に芳香のある大輪の白花

2013年05月25日 | 花の四季

【巨大な葉っぱは朴葉味噌や朴葉餅、朴葉ずしに】

 モクレン科の落葉高木で北海道から九州まで全国の山林に自生する。5~6月頃、枝先に直径が15cmほどもある少しクリーム色がかった白い花をつけ芳香を放つ。ただ上向きに咲くため、下から見上げても大きな葉に遮られてよく見えない(このため、この写真も遠く離れた高い所から。下の写真2枚は下から)。花弁は6~9枚で、同じ仲間のタイサンボク(北米原産)の花に少し似ている。

 葉は長楕円形で長さが30~40cm、幅が20cm前後もある特大サイズ。葉には殺菌作用もあるため、これで食物を包んで朴葉(ほおば)餅や朴葉ずしを作る。そこからホオノキは「ホオガシワ」の別名を持つ。朴葉味噌は飛騨高山地方の名物料理。朴葉の上に刻んだネギなどを混ぜた味噌を載せて焼くと香ばしくご飯の友に。最近では飛騨牛や魚介類、季節の野菜・山菜なども朴葉の上で焼いて、観光客の人気を集めている。

 

 ホオノキ材は軽くて柔らかく、きめ細やかで狂いも少ない。このため製図板や定規、刃物の鞘、まな板、寄木細工、下駄の歯、漆器の素地、楽器、彫刻材、船舶材……と幅広く活用されてきた。ホオノキの木炭はかつて眉墨としても使われた。樹皮は乾燥して生薬「和厚朴(わこうぼく)」に。利尿や去痰、腹痛、虫の駆除などに効果があるという。

 奈良県宇陀市の「戒場神社のホオノキ」は県指定の天然記念物。高さ15m、幹回り6.2mで、樹齢は300年以上と推定されている。岡山県新見市の「ほおのき原のホオノキ」は市の天然記念物で樹齢700年ともいわれる。このほか兵庫県香美町や秋田県湯沢市などにもホオノキの巨樹がある。ホオノキの花は初夏の季語。「朴ひらき大和に花を一つ足す」(森澄雄)。

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