オマー・シャリフといえば「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」。恥ずかしながら内容は全く覚えていない。その彼が80、90年代はほとんど映画に出なかったのは、エジプト生まれのアラブ系が主役をはるような作品がなかったこともあるらしい。イスラムといえば原理主義、自爆テロル、あるいは女性差別など民主主義のなさと、その前近代性、狂信性が喧伝されることが多いが、イスラム世界も広い。インドネシアでは女性首相を戴いていたし、飲酒にも緩やかという。そして「我が故郷の歌」にもあったように「喜捨」の精神は今どき、キリスト教や仏教をいただいている先進国には見られない美徳ではないか。イブラヒムおじさんはイスラムの中でもスーフィーという神秘主義者。その彼が愛でる不幸な少年はユダヤ人。イスラムがユダヤ人に手を差し伸べるなんて素敵ではないか。アッバス首相は自爆テロルを牽制し、和平を主唱しているがシャロンの政策こそ変わらねばなるまい。少年の名はモイーズ。モーゼから来ていることにも納得。理想主義であるけれどインフィデル(異教徒)が互いに手を携えあう優しい作品だ。
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