ペテルゴフは、サンクトペテルブルグを築いたピョートル大帝がヴェルサイユ宮殿を模して1723年に竣工をはじめた噴水の大離宮。総面積1000ヘクタールとされ、端から端まで歩くのには1日では足りない規模だ。「水の宮殿」との名もあるほど、敷地内には幾つもの工夫を凝らした噴水が設えられ、豊かな水量を誇っているが、この噴水、すべて自然の水の流れだけで噴出していると言うのであるから驚きだ。一つとて同じ噴水はなく、しげしげと見とれてしまう。宮殿内にはピョートルが招く賓客のための贅をこらした部屋の数々。おもしろかったのは、別棟にあたるエルミタージュでは、2階に食堂があり、1階で各客の好みの料理を用意し、テーブル全体が2階にせり上がる大仕掛けがなされていたことなど。離宮全体が完成するのにはピョートルの発案から200年を要したと言うが、数々の建築家が関わってきた証が今日の壮大さを誇っている。エルミタージュ美術館の裏手から高速艇で40分ほどかかるし、高速艇代、入園料、入場料など結構な出費となることに覚悟を。
ツァールスコエ・セローはエカテリーナ宮殿と庭園、アレクサンドル宮殿と庭園などの総称。ナチス・ドイツによって破壊、略奪された美術群もすっかり修復され、2003年に再現された「琥珀の間」には団体観光客がわんさかいる。しかし、一時期ほどの混乱は終息したようで、現在では個人客も予約なしにどの時間でも見ることができる(2005年8月)。エカテリーナ1世の遺言で皇女リザヴェータ・ペトローヴナが相続し、造園を完成させたもので、ペテルゴフのような見せびらかし、散策を目的としたシンメトリーとは違い、庭は狩りに向き、森のようなところさえあるので一体どれくらいの広さなのかもわからない。列車で行くには時間や治安の点から不安のある人には地下鉄2号線「マスコーフスカヤ」駅そばのレーニン像前(というかすぐ後)から出るマルシルートカ(乗り合いバス)が便利である(k-347a)。30分ほどで宮殿が見える通りで降ろしてくれる。「琥珀の間」は黄金とは違う不思議な輝きで一見の価値あり。
ペテルゴフも、ツァールスコエ・セローもそしてエルミタージュ美術館もロシアの宮殿は、柱や壁に黄金の縁取りがふんだんになされているが、少しもくどくないのが不思議で、むしろすっきりとした感じさえ与える。これも美の洗練の一手法か。(画像はペテルゴフ)
ツァールスコエ・セローはエカテリーナ宮殿と庭園、アレクサンドル宮殿と庭園などの総称。ナチス・ドイツによって破壊、略奪された美術群もすっかり修復され、2003年に再現された「琥珀の間」には団体観光客がわんさかいる。しかし、一時期ほどの混乱は終息したようで、現在では個人客も予約なしにどの時間でも見ることができる(2005年8月)。エカテリーナ1世の遺言で皇女リザヴェータ・ペトローヴナが相続し、造園を完成させたもので、ペテルゴフのような見せびらかし、散策を目的としたシンメトリーとは違い、庭は狩りに向き、森のようなところさえあるので一体どれくらいの広さなのかもわからない。列車で行くには時間や治安の点から不安のある人には地下鉄2号線「マスコーフスカヤ」駅そばのレーニン像前(というかすぐ後)から出るマルシルートカ(乗り合いバス)が便利である(k-347a)。30分ほどで宮殿が見える通りで降ろしてくれる。「琥珀の間」は黄金とは違う不思議な輝きで一見の価値あり。
ペテルゴフも、ツァールスコエ・セローもそしてエルミタージュ美術館もロシアの宮殿は、柱や壁に黄金の縁取りがふんだんになされているが、少しもくどくないのが不思議で、むしろすっきりとした感じさえ与える。これも美の洗練の一手法か。(画像はペテルゴフ)