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低気圧で起こる「気象病」の基礎知識

2022-06-03 13:30:31 | 健康・医療
低気圧が近づくにつれて体調不良を訴える人は多いようですが、私の周りにはこういった症状を訴える人はおらず、それほど身近な病気という感じはしません。

近年の研究によって、以前は「気のせい」だと思われてきた天気の変化に伴う体調不良には原因があることが分かり、「気象病」や「天気痛」などと呼ばれています。

ヒトの身体には周囲の環境が変わったときに、体内の環境を保とうとする力(ホメオスタシス)が備わっています。この力を管理しているのが「自律神経」で、身体を緊張状態にする「交感神経」と緊張から解放する「副交感神経」の2種類があります。

この作用により外が寒くても暑くても体温はおおむね36度台に保たれています。同様に低気圧が近づいて気圧が急激に変化した時も、自律神経が体内のバランスを取ろうとします。

しかし気温や気圧の変化が急すぎると、自律神経の働きが追いつかなくなり、体内の環境がうまく保たれず不快な症状が表れるのが「気象病」といわれています。低気圧が近づくことで起きる体の不調の中でも、特に頭痛を訴える人は多いようです。

この頭痛には低気圧が近づいてくるときに注意したい頭痛と、低気圧が去った後に注意したい頭痛の2つのタイプがあります。これはその時々で活発に働く自律神経の種類が違うためです。低気圧が近づく際には気圧は徐々に下がり、暖かい風が吹き込んで気温が急に上がることがあります。

この時には気圧の低下や温度上昇に対応しようと副交感神経が活発になり、血管が拡張して頭がズキズキと痛む片頭痛が起こりやすくなります。

低気圧が去る際にはこの逆の現象が起こり、交感神経が活発になって血管が収縮し、首や肩の血流が悪くなって後頭部がこわばり、緊張性頭痛が起こりやすくなるのです。特に春先に気を付けたい気象現象が「爆弾低気圧」です。

正式な気象用語ではありませんが、天気予報では急速に発達する低気圧と表現され、近年よく耳にするようになりました。この時の症状は一般的な気象病とほぼ同じですが、さらに強く出る可能性があるようです。

気象病を感じやすい人は、交感神経が活性化しやすいタイプで、緊張性頭痛や生理痛、関節痛、腰痛、古傷の痛み、便秘などが出やすいようです。また副交感神経が働きやすいタイプは、片頭痛や倦怠感、眠気などが出やすいとされています。

こういった気象病対策の基本となるのは、自律神経のバランスを整えることです。1日3食をしっかりと摂り、睡眠を十分にとり、適度な運動を行うなど規則正しいリズムで過ごすこととしています。

これは生活習慣病なども含め常に言われることですが、当たり前のことであるため実践は思っている以上に難しいような気がします。