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「中年太り」の原因、加齢で神経細胞に変化

2024-03-17 10:31:29 | 健康・医療
このブログでもよく書いていますが、私はこの歳になるまで痩せ型体形で、中年太りという経験はありません。

むしろ60代ぐらいから下腹がぷっくりしてきたのですが、服を着ていれば全く目立つことはなく、若干気にしているという程度です。しかし肥満体形の人にとっては、中年太りは切実な問題となっているようです。

名古屋大学などの研究チームは、この中年太りに関してラットを使った実験で、代謝や摂食をつかさどる脳の視床下部にある神経細胞の「一次繊毛」という部位が加齢などで短くなることが原因と突き止めました。

ヒトにも同様の仕組みがあるとみられ、肥満が引き起こす疾患(肥満症)の根本治療につながると期待されています。中年太りの原因として、加齢による全身の代謝低下が挙げられていましたが、詳しい仕組みはよく分かっていませんでした。

名古屋大学の研究チームは、視床下部の神経細胞に存在し、栄養過剰を検知して代謝を促す受容体(MC4R)に着目しました。

MC4Rを可視化する抗体を開発してラットで調べたところ、視床下部の一部にある神経細胞からアンテナ状に伸びた一次繊毛という部位にだけ集まっていることが分かりました。さまざまな年齢のラットで比較すると、加齢に伴って一次繊毛が徐々に短くなっていることが判明しました。

遺伝子操作で強制的に一次繊毛を短くすると、若年でも代謝が減る一方、摂餌量が増えて「中年太り」の状態となりました。また高脂肪食で飼育すると早く短くなり、食事制限をすると短くなるペースが落ちたり、繊毛が再生したりすることも分かりました。

研究グループは、食べ過ぎていると、抗肥満の仕組みが摩耗していくため、控えめの食生活、カロリーを摂取しすぎないことを継続することで、抗肥満作用を維持したまま加齢していくことができるのではないかとしています。

今回の研究結果が中年太り対策にどうかかわってくるのかは難しい問題と言えます。脳を直接何かすることはできませんので、いわば当たり前のカロリーを摂取しすぎないようにするとか控えめの食生活という当然の対応しかできないようです。

しかし実際は脳の繊毛の退縮とは無関係に、食事量が増えたりしているのではないでしょうか。結局なかなか面白い研究成果とはいえますが、実際の中年太り対策には全く役に立たないと言えそうな気がします。