喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

佐田岬の葉桜  実りの時期へ

2014-04-06 | ブログ


 自分が過去に書いたブログをたまに読み返す。
これもまたいいものだ。
 特にふるさと佐田岬に桜が咲く季節のものをふり返ることが多い。
昨年はどんな様子だったかな。

 2012(平成24年)の4月14日には、以下のようなことを書いていた。
写真は、今年平成26年、4月3日のもの。


「平礒から東方の釜木の山桜を見たものです。

 釜木の山々には、山桜がたくさんあり、みごとです。
愛媛新聞社発行の「日本列島 鳥の旅」で佐田岬は、次のように紹介されています。

『緑の中に点々と霞むヤマザクラの花の群れ。
微妙に異なるさまざまな緑と薄紅色が、
モザイク模様になって山をひときわ輝かせています。
こんなに美しい配色を誰が考え出したのでしょうか。』

 
 佐田岬半島は、知る人ぞ知る渡り鳥のルートとして、全国的に有名なポイントです。
圧巻は秋、数百羽のヒヨドリが群れなす渡り。
そして春、やがてツバメが帰ってきます。

 『美しく咲いているヤマザクラや緑の木々は、
半島に渡って来た小鳥たちが落とした種から育ってきたのではないか。
ハヤブサの鋭い爪から逃れ、
生き続けた鳥たちが落とした無数の種から…。
その小さな種が土にもぐり、雨をうけて伸びたのだ。
そして、いつの間にか葉を茂らせ、花を咲かせて実を結んだにちがいない。
 鳥たちはその実を食べて命をつなぎ、その鳥たちをハヤブサがねらう。
ヤマザクラが咲いて、ハヤブサにヒナが生まれ、花が散って緑が萌える頃には、
ヒナは力強く巣立っていく。

 何千年、何万年をかけて自然は黙々とその営みをくり返している。
海と空の間を悠久の時が流れていく。
生命が生命に受けつがれていく。』


 わが家のベランダに立ち、ふとっ、こんなことを思いました。

                        岬人(花んちゅう)」

 沿道や公園には、人が植えた多くのソメイヨシノの桜が豪華絢爛に咲いている。
一方で、佐田岬の山桜には、このような歴史と自然の物語がある。
私は、それが好きだ。

 今日も冬を思わせるような冷たい春の嵐が吹いている。
2・3日前まで、ピンク色に染まっていた山々の桜は散ってしまい、
やわらかい黄緑の葉桜へと変わっている。

 葉桜はこの後、実をつけ、その実を鳥たちがついばみ、
その種をまた散らしていく。
 年々増えていく、佐田岬の山桜。
生命が生命に受けつがれていく。

                  岬人(はなんちゅう)