窓ぎわや玄関先に花を飾るということは、とてもすばらしいことだと思う。
もちろんその家が華やかになるし、道行く人たちの気持ちをもさわやかにさせてくれる。
わが家の庭に私が生まれるはるか前から根付いている藤の木がある。
それは、ちょうど今紫色の花をぶどうの房のように咲かせ、見ごろとなっている。
塀を乗り越え、道路側にたれ下がり、道行く人を楽しませてくれている。
先日74歳になった父はその藤の花が大好きで、毎年写真に撮ってほしいと私にことづける。
あわせて娘たちもいっしょに撮ったらどうかとすすめる。
こんなやりとりがもう何年続いただろうか。
毎年、この時期に写真撮影している。
今年は、父と母も入って4人で撮影も。
4人ともとてもうれしそうだ。
あと何年、こんな写真が撮れるだろうか。
そんなことなど気にもせず、古い藤の木は毎年きれいな花を咲かせるのだろう。
この花を見るたびに大切な人を思い出す。
そんな古い藤の花。
岬人(はなんちゅう)