喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

三崎(岬)が大好き

2014-05-10 | ブログ
「美しい地域は、美しい人の心がつくる」
ということをあらためて感じたできごとがあった。

 4月からゴミの出し方が少し変更された。
燃えないゴミは、無色透明なビニール袋に入れるように。

 ところがその変更を知らなかったり、めんどくさかったりの理由でなかなか徹底できない様子。
知り合いにゴミ収集の仕事をしている20代半ばの若者がいる。
彼が言うには、
「三崎地域がゴミを出す状態が一番悪いんです。」
と悩みを口にしていた。

 ある日、ゴミを収集車に積んでいるところへ、おばさんがゴミを持ってきた。
その袋は色つきで、だめなもの。

 彼が、変更を説明したところ、変更がわかりにくく知らなかったと不満の言葉をもらした。
しっかりと納得してもらえない感じのまま別れた。
 後日彼は、誰もが見えやすい大きな文字で書いた説明書きを持って、おばさんの家を探し訪ねて、
もう一度ていねいな説明をし、自作の説明書を作ってきたことを伝えた。





 ゴミ収集の仕事が終わった夕方に訪れ、1時間おばさんの話をじっくりと聞いたそうだ。
おかげで納得してもらい、気持ちよく終わったとのこと。

 彼の誠実な姿勢に感動した。

 よくそこまでできるな?
と聞いたところ、帰ってきた言葉にさらに感動した。

「大好きなふるさとが美しくなってほしいと思っていますから。」

 彼は、自分が担当している三崎地域全てのゴミ収集場所に自作の説明書をはったようだ。
「美しい地域は、美しい人の心がつくる」

                              岬人(はなんちゅう)

田舎道

2014-05-10 | ブログ
 田舎では交通が発達していないので不便なことも多い。
幅が狭く、曲がりくねった道路。



 もっと幅が広く、一直線の道がいいな。
そんなことをよく思ったものだ。

 でもそんな考えがちがってきた。
毎日、実家の平磯から車で7㎞の距離を15分間で三崎まで通勤している。

 幅が広く、一直線ならばおそらく5分くらいで快適に早く移動できるだろう。

 それが15分間、車のハンドルを左に右に切りながら、ブレーキやアクセルを踏み分けながら。
決して眠くならない。
電車やバスで運ばれるのではなく自分の体をめいいっぱい使い、道を進んでいるからだ。
 道とは、自分の力で進むもの。

 

 この15分間が実に楽しい。
いろいろな発見がある。
 一昨日の夜9時過ぎ、娘たちといっしょに帰っていたら、
前方に岩のような黒い生き物が見えた。
猪だ。
道ばたの落ち葉だまりをあさり、えさでも探していたのだろう。
 狸はたびたび姿を見せ、時には狐さえも横切っていく。

 車のライトを消せば、真っ暗な夜空に輝く星々を見上げることができる。
海には、船の明かりが浮かんでいる。


 昼間、曲がりくねった道が美しいと思えるようになった。
美しい曲線を描く、ヘアピンカーブ。
その道を支える石垣。

 

 車の窓を開けるとたくさんの鳥の鳴き声が聞こえてくる。
そして今は、柑橘の花の香りがただよっている。

 道は単なるスタートからゴールへの移動区間ではなく、途中そのものに良さがある。
こんなことを感じながら、今日もすてきな田舎道を行き来している。




              岬人(はなんちゅう)