喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

今はなき、三崎の東洋軒

2014-05-13 | ブログ


 多くの人たちに忘れられない食堂がある。
三崎の「東洋軒」もその1つだろう。

 昔ながらの味で、ボリューム満点。
ちゃんぽんをよく好んで食べた。

 お腹がすいたと思っても普通盛で十分。
大盛りでも注文したら、麺の上に乗っている野菜を食べるだけでもお腹は満たされる。
食べても食べても麺が出てこない。
ようやく麺にたどり着き、後は気合いを入れて食べていく。
 食べ終わった頃には、額から汗が流れ、
お腹がはち切れそうなくらい。

 古い店ながら、昼時になるといつもお客さんがいた。


 今年の春先、店が閉まっていることが多かった。
おばちゃんたちも高齢になり、たいへんだと聞いたことがある。
そしてついに店は閉められた。

 入り口のドアにはられたお知らせ。



 何と52年間、半世紀以上の経営。
それだけみなさんから愛されたということだろう。

 こんなすてきな店がなくなっていくのはさびしい。
もう少し道奥の松下金物店もやがて閉められるようだ。

 これほどホームセンターなどの量販店ができ、安さを売りにした100円ショップなどもでき、
お客さんがそちらに流れてしまうと、経営は成り立たなくなる。
 田舎の店と地域の関係は、地域のみなさんのおかげで店は成り立ち、
店のおかげで地域に活気がでる、というバランスのとれた良い関係。

 今や小さな商店はどんどん閉められ、大きな道路沿いに全国チェーンの量販店が建ち並ぶ。
この光景が全国の多くの場所で見られる。
地方という個性ある町並みがなくなっている。


 個性ある地域の雰囲気、地域力が大切だ。

 東洋軒など閉められたお店のみなさま、長い間地域に貢献していただきありがとうございました。

                           岬人(はなんちゅう)