喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

父と息子の 「もにこど2」ランチ

2015-10-12 | 地域づくり
 昨日11日、高校3年生の息子と一緒に双海町の若松進一さんにまちづくりについての話を聞かせてもらった。
様々な話に心はいっぱいになった。
逆にお腹は空っぽの状態。

 どこかに食べに行こうということで、
とっておきの店に連れて行ってあげることにした。

 国道沿いの便利な場所ではなく、
あえて国道から離れたしかも人家の中にある店。
もにこど2。

 県外出身のオーナーのこだわり。
そしてお客さまへのおもてなしの心。

 そんな話は店に着くまで息子にはふせて、車を走らせた。
少々不機嫌で、不思議がる息子。
店はどこにあるのだろうか、と言わんばかり。

 そして15分くらいで到着。



初めての人には入り口さえわかりにくい。





 玄関への道の横に一部屋。
緑を眺めながら、くつろぎの時間を過ごすことができる。



暖簾をくぐる。



外にあるトイレ入り口からの眺め。
まさに普通の民家の景色。



 店内には、6名ほどのお客さま。
壁にはおもしろい絵が飾ってある。





 食事をとりにやってきたが、すでにランチは終わっており、
カレーならできるということだった。
 そしてちょい辛カレーを注文。



 あっという間に辛いカレーをたいらげる息子。


 窓の外の眺め。
収穫間近の稲が風になびいている。


 父と息子の静かなひととき。
玄関の暖簾をくぐり、外へ出る。





息子にたずねた。
「この店、どうやった?」

「うん、よかった。」
きっと今までの息子の常識が揺さぶられたことだろう。
息子が目指す農業や地域づくりにおいても大きなヒントになったのではないだろうか。


 もにこど2。
男たちの時間を過ごせる場所でもあった。

                      岬人(はなんちゅう)







若松進一さんからのメッセージ 「足は野につき、心は天に向かって開く。」(西郷隆盛)

2015-10-12 | 地域づくり
 昨日、高校3年生の息子の進路に関する相談で、
まちづくりのお話をしてくださった双海町の若松進一さん。

 毎日、書かれているブログに早速その記事を載せていただいていた。

shin-1さんの日記 双海より

http://blog.yuuhi.jp/category/%e4%ba%ba%e9%96%93%e7%89%a7%e5%a0%b4/



 そして、何と若松さんからお礼のメールまで届いた。



「浅野さん
 昨日は遠方お疲れ様でした。
いい息子さんですね。
しっかりと大地に足をつけた人間に育てたいものです。

「足は野につき、心は天に向かって開く。」
は西郷隆盛の言葉です。

 私もワードプレスブログに昨日のことを書いておきました。
又いつでもお越しください。
 息子さんに宜しく。」


 
 夢はでっかく、根は深く。

 人を育てるということはむずかしい。
そして楽しみだ。

               岬人(はなんちゅう)


 

若松進一さん 若者の心に灯をともす ~地域づくりについて~

2015-10-12 | 地域づくり
 昨日11日、双海町の地域づくり人、若松進一さんの私設公民館「煙会所」で話を聞かせてもらった高校3年生の息子。
実に色々な視点の、実践をもとにした説得力ある話だった。

 将来、柑橘農業をしていきたいと考えている息子。

「地域づくりをどのように進めていけばよいか」
に対してのアドバイス。



1 地域づくりの前に大切なもの5つ

  地域づくりなんて言えば、聞こえはいいが、しっかりとした自分ができていないのに、
 地域づくりなんてなかなかできることではない。
  人生には、いくつもの扉があって、一生懸命がんばって1つの扉を開けたかと思うと、
 また次の扉が道をふさいで待っている。
 そのくり返しで、なかなか終わりがないもの。
 もちろんその扉を開けるがんばりが、楽しかったり、しんどかったりする。
  だから、まずしっかりと地に足が着いた自分をつくっていかなければいけない。
 そのために手に入れていきたいものが5つある。
 
 ① 仲間
   同じ地域の仲間はもちろん、地域外に、そしてグローバルな仲間を作っていく。
  仲間が何よりの力となる。

 ② 主張
   自分の思いをしっかりと主張できる力を身に付ける。
   地域づくりでは様々な人を巻きこんでいかなければならない。
  反対する人も、本気にならない人もいる。
  そんな人たちにしっかりと自分の思いを伝えられることはとても重要。

 ③ ふるさと
   ふるさとに対する思いを強くする。
   ふるさとの課題も分かり、それでもふるさとには良さもたくさんあり、
  ふるさとが大好きという気持ちを育む。
   ふるさとをしっかりと見つめる目が大切。

 ④ 感動する心
   心の感度を高くする。
  感動は、自分を動かす大きな力となる。


 ⑤ 夢
   夢を持ち、それをカタチにしていこうとする心を育む。
  自分を動かす始まりは、夢。
  夢なくしては始まらない。



2 地域の中での「自分の立ち位置」を意識する
  立ち位置を「3つの間」からとらえる。
 ① 時間
   地域には過去の歴史があり、今があり、そして明日がある。
  地域の歴史を調べ、今を感じ、明日を創造することで、
  地域がよりはっきりと見えてくる。

 ② 空間
   自分は地域のどこに住んでいるのか。
  その地域は、同じ町内から見るとどう見えるのか。
  もっと広げて愛媛県から見るとどうなのか。
  もっと広げて日本から見るとどうなのか。
  そして世界から見るとどうなのか。
   そんなアリの目と鳥の目での見方を意識すると新たな気づきがある。

 ③ 仲間
   どんな仲間をつくるか。
  血縁、地縁そして同じ思いを持った者同士の縁。
  それは同じ地域だけではなく、他の地域にもすばらしい仲間はいるもの。
  何かを進めていく時に、大きな力となる。



3 違いを大切にする
  同じ仕事をする者同士は、集まりやすいし、色々な話をする機会が多い。
 あえて違う仕事の人や違う視点を持った人との交流から、地域の問題点も見え、
 解決に向かって進んでいくことも多い。
 また新たな発想が生まれることもある。
  だから地域の様々な違いをつなぎ合わせる考え方は大切。
  自分もそんな中の違いの1つなのだから、自分にできることからやっていけばいい。


  
  若松さんは、30歳の時によりよい地域をめざし、その原動力となる若者たちを育てるために、
 自宅敷地内に私設公民館「煙会所」を作られた。
  そして10年前、60歳の時に大人の自立、個々の自立をめざし、人間牧場を作られた。
 常に人づくり・人育てをされている。

  今回も50歳以上も違う18歳の息子のために、多忙な中経験をもとにした話をしてくださった。
 それは未来への希望でもある。

  2時間もの話の後、帰る時に言っていただいた言葉。
 「またいつでもいらっしゃい。」
 本当にあたたかいものだった。

                   岬人(はなんちゅう)

 
 




若松進一さん 若者の心に灯をともす ~農業について~

2015-10-12 | 地域づくり
 昨日11日、双海町の地域づくり人、若松進一さんの私設公民館「煙会所」で話を聞かせてもらった高校3年生の息子。
実に色々な視点の、実践をもとにした説得力ある話だった。

 将来、柑橘農業をしていきたいと考えている息子。



「これからの農業がどう変わっていくべきか」
に対してのアドバイス。

1 安心・安全な農業
 ① 食の安心・安全として
   もちろん、体の健康にいい自然農業や有機農業、無農薬や減農薬がいいことはまちがいない。
  しかし消費者からは、そうやって栽培された見た目が悪い商品ときれいな商品があった場合、
  しかも値段が割高の場合になかなか選ばれにくい。 
   つまり良いことと、売れることは同じではないということを頭に入れておかなければならない。
  そうなると、消費者への売り方(商品に別な物語をつくる)が重要になってくる。
  
 ② 心の安心感として
   生産者と消費者が個人として顔の見える関係をつくる。
  どうやってその関係を作っていくかが重要。
   そうすれば、消費者に心の安心感を届けることができる。
  消費者に「三崎の清見タンゴールが好きという意識から、浅野さんちの清見タンゴールが好き。」
  という意識を持ってもらえるようにする。
   そう考えると、組織で取り組む農業よりも個人や地域で取り組む農業に魅力を感じる。



2 農業を楽しむ
  消費者との関係の中で農業にやりがいを感じられること、
 自然の中で作物を育てるという農業の仕事を楽しめることは幸せ。
 長男だから後継ぎをしているというような外的な気持ちではなく。
 農業を楽しむ生き生きとした姿は、家族や地域に伝わっていく。
  ぜひ、現在農業をしてくれている叔父さんや祖父母から農業技術だけではなく、
 農業をしていく者としての考え方や生き方を学んでほしい。



3 経営的農業
 ① 良いもの・売れるものをめざす
   科学的に栽培をしている農家は多くない。見よう見まねだったり、何となくの経験だったり。
  科学的な考えをもった人から教わるとか、そんな学校で学ぶことは重要。
  それは、良い作物を作るために説得力のある農業となる。
   保守的農業から近代的農業への意識を強く持つ。

   ただし難しいのは、良いものがよく売れるとは限らないということ。
  ポイントは、消費者の目線を大切にすること。
   先を見通す目を養い、消費者の望みにこたえる。
  または、様々な手法で商品の良さをしっかりと消費者に伝える。
   柑橘そのものを売るという今までのやり方とは別に、ジュースや
  田村菓子舗とコラボして作っているスイーツとして消費者に届ける。


 ② 労働
   細かく仕事内容などを規定して働くアメリカの農業のような経営的農業を参考にする。
  どれくらいの労働力があって、どれくらいの収益が予想されるみたいな考え方。
   日本の農業は家内農業なので、家族の労働力を賃金としてあまり考えない風潮にある。
  我が家であれば、両親の労働力をきちんと賃金計算し、
  それに見あうだけの収益を目指さなければならないということ。
  先祖から伝わった農業を引き継いでいるとはいえ、両親はほぼただ働きという考え方ではなく。

   仮に我が家の場合、時給800円として1日6400円。
  1ヶ月6日の休みとして計算すると月給16万円。年間賃金は、192万円。
  両親で384万円の給料を支払うとして、収益を目指さなければならない。
   
   また、農業という仕事時間と自分や家族の時間を分けて考え、ゆとりある暮らしをしていくことも
  人生を充実させる面で大切なこと。
   そうすると農業法人というやり方も考えられる。
 
  

 私にとって、ましてや息子にとっては目からウロコが落ちるような考え方。
若者の心に灯がともるような話だった。


                  岬人(はなんちゅう)

   
   





  

私設公民館「煙会所」で若松進一さんに話を聞く

2015-10-12 | 地域づくり
 昨日10月11日、高校3年生の息子の進路に関して、双海町の地域づくり人である若松進一さんに話を聞かせてもらうことができた。

 私と若松さんとの出会いは、11年前にさかのぼる。
教育とは、夢を育む営みであること。
そのためには、学校、特に地域の教育力が重要であること。
人生において、ふるさとが源になること。


 そんなことを教えられた。
学校のみに生きてきた自分にとって、それは衝撃的とも言える考え方だった。
それ以来、若松さんには気をかけていただき、陰に日なたに応援してもらっている。

 そのおかげでこの11年間、ふるさとに喜久家プロジェクトを立ち上げたり、
さまざまな地域活動、研修会に足を運んできた。
そしてかけがえのない仲間ができた。

 将来、ふるさとで農業をしていきたいと考えている息子もぜひ若松さんの話を聞きたいと思っていた。
とはいうものの、これまでにすでに3度会っている。
そして今回は、自分の進路に関する思いや疑問に対してアドバイスをいただけるすばらしい機会となった。



 久しぶりに訪れる若松さん宅。
その離れに、知る人ぞ知る私設公民館「煙会所」がある。
約40年前に建てられ、ここで多くの若者が育ち、仲間ができ、多くの夢が生まれてきた。
 今回の舞台は、この煙会所。
若者である息子の心に灯がともされることになるだろう。

         
                            岬人(はなんちゅう)