川内原発の再稼働に薩摩川内市議会と市長が同意しましたが、本当に安全なのでしょうか。
9月議会に、九電の今村玄海原子力発電所長から、規制委員会の進捗状況の説明がありました。
私は、「世界で最も厳しい基準というのなら、核燃料が溶融(メルトダウン)した際に、ヨーロッパの新しい原発ではコアキャッチャーが義務づけている。それをやらないのはなぜか」と聞きました。
今村所長は「ヨーロッパでも既設の原発にはコアキャッチャーは義務づけていない」と述べました。
これでは、メルトダウンした場合の受け皿がなく、福島原発のような事態になったら役に立ちません。「世界で最も厳しい基準」とはとてもいえません。
つまり、既存の原発では「世界最高水準の安全対策はやっていない」ということを今村所長自ら証言したものであり、既存の原発を原発再稼働するための基準を引き上げて、お茶を濁そうとしているものです。
数日後、唐津市の原発専門官から私に「緊急時には、圧力容器の上から水を放水し、格納容器の下部に水が貯まり、溶け落ちた核燃料を受け止め、冷やすことができるので、ある意味ではコアキャッチャーの役割を果たすものです」と説明されました。
コアキャッチャーは、約2800度の高温に耐えられる耐火煉瓦でつくられています。一方、「2800度の鉄や銅などの溶融物が大量に水と接触すると水蒸気爆発を起こす危険があるのは常識」と元燃料炉設計技術者の中西正之氏は指摘しています。
水を張って溶け落ちた核燃料のを受け止めるなんて、とんでもないことです。
そんなごまかしで、「世界で最も厳しい基準」といって再稼働しようなんてとんでもないことです。