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玄海町に原子力発電所がはじめた運転を開始したのは45年前の1975年(昭和50年)10月です。
その後2号機が1981年、3号機が1994年、4号機が1997年にそれぞれ運転を開始しました。
原発と白血病の関係は、「科学的な証明はされていない」といわれています。
ところが、佐賀県保健環境部が毎年「衛生統計報」という人口動態統計を集計している冊子があります。
この資料は、亡くなられた方の死亡原因別に調べたものです。
例えば、不慮の事故や老衰、結核、心筋梗塞、がん(種別ごとに)自殺など細かく記されています。
それによると、玄海町に原子力発電が稼働して暫くしてから、「白血病」で亡くなられる方が急に増えています。
私が入手した1975年度から2018年までの43年間の資料を精査しました。
それによると、1号機の運転開始から8年間は、玄海町では白血病で亡くなった方はおられません。
その後、5年ごとに集計をしてみると最初の5年は年平均1.6人。2.0人。1.4人、1.6人。2.6人。1.2人。2.0人と一時、増加傾向から減少傾向に転じ、再び増加傾向になっています。
過去10年間の平均によると、人口10万人当たり
全国が6.5人。
佐賀県が8.4人。
唐津市が10.9人。
玄海町が24.9人となります。
玄海町の白血病で亡くなられる方は、全国の3.84倍、佐賀県の2.65倍、唐津市の1.92倍にもなっています。
原発と白血病の因果関係ははっきりしませんが、県が長期の統計にもとづく数字が示していることは、ある意味で客観的資料といえるでしょう。