今朝の新聞は、川内原発差し止めを棄却したと伝えています。
福岡高裁宮崎支部は、「新基準は不合理とはいえない」というモノです。
福島の原発事故の教訓から何も学ばず、政府の原子力推進政策を追認する内容となっています。
私が注目したのは、「避難計画の実効性」です。
九電の主張は「バスなど十分な移動手段と避難先を確保しており、内容は合理的」というモノです。
九電が、よくもこの主張ができたものだと呆れます。
そもそも避難計画は、自治体に担わされています。避難経路から避難先まで自治体任せで九電は一切タッチしていません。
百歩譲っても、移動手段は、自家用車が中心となっており、避難場所までたどり着くには24時間以上かかる試算もあります。
避難先の実態は学校の体育館が多く、避難場所と言えるものではなく、面積、トイレ、入浴など衛生面で苛酷な状況になることは間違いないことです。避難場所では一週間です。その先の計画は全くされていません。ましてや、災害弱者といわれる人々の受け皿は「絵に描いたモチ」でしたありません。
その自治体がつくった避難計画を「内容は合理的」とよく言えたモノです。
私は、大規模な避難が必要な事業(原発)で利益を上げる事業者が責任をもって避難計画をつくるべきで、「唐津市はアドバイザー的存在になるべきで本末転倒」と議会で、何度も主張して参りました。
宮崎支部は「問題があるとしても住民の人格権を違法に侵害するとは認められない」としています。
裁判所も、福島の現実から目をそらしています。人格権が違法に侵害されたから、避難途中や避難先で亡くなる方が多数出られたのです。
そもそも、避難計画が「規制基準から外されていることが問題」なのです。
アメリカなどでは、原発稼働の条件に「避難計画」も審査対象にされていることから、とても「世界最高水準の規制基準」とは言えたものではありません。
昨日の判決は、とても残念です。
もう一つ残念なのは、今朝の嵐で桜が散ってしまうことです。
写真は、今朝の佐賀新聞です。