チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

姪の想い出

2008年10月25日 11時47分37秒 | 日記
中谷比佐子の近著
「節約精神」を読んだ姪から
思いがけない両親の姿が語られ
自分の親不孝さにあきれ返っている

「比佐子おば様の節約精神を読んでいたら
さまざまな思いがこみ上げてきましたのでーー」
と長い手紙を送ってきた

それを読むと
彼女から見る祖母とは
我がすみゑちゃんのことだが
明治生まれの女としては珍しくないが
梅干をはじめあらゆる漬物を最後まで作り続け
いまだ其の梅干が
姪の家の床下にあるという
亡くなって30年近くなるのにーー

姪と祖母、そして母である我が姉との真綿を伸ばして布団を作った
夏になると籐の敷物や御簾を巻き上げる手伝い
晒袋に竹炭を入れて風呂を沸かす
また仏壇の花瓶に入れる
ほうれん草やブロッコリー、小松菜は
蒸した方が栄養が逃げない
煎り鶏をたくさん作り保存食に

などなど彼女にとっての祖母は
知恵の塊だったよう

確かにすみゑチャンは手間隙かけて
おいしい食事をいつも私達のみならず
ご近所にも配っていたが
私はそれがいやだった

惜しいことをしたと思う
しかし姪が其の祖母の知恵を
いまだきちんと覚え実行していることが嬉しい

彼女は祖父母に愛されたので
二人から
多くの日本人の知恵を授かっている

いまさらこの手紙で驚いたが
父が姪に老子やアユルヴェーダーの知識も与えていたらしい

其の姪から送ってくる郷土の味は
常に吟味されていておいしい
それは彼女にとっての祖父母の味だったのだと気付く

間接的に私は父母の愛をいまだに受けている
ありがたいこと


子は親の偉大さが分からない
いや分かろうとしない
そのため
意識が外へ外へと行く
ふるさとを遠くに離れ
何十年もして父母の偉大さに気付く娘は哀れ

コレは国と一緒
日本以外の国が優れて居ると思い込んでいる人が多い
しかし
じっくりと日本を見ると
日本ほど自然を愛し自然に感謝する日常を過している人種は居ない

さらにさらに日本を見つめることを教わった
姪からの便りであった
コメント
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