チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物を繫ぐもの 91

2019年02月12日 18時05分04秒 | 日記
着物を着ているのが当たり前の生活になった時
またも躓く

その頃美容家の大関早苗さんと一緒に仕事をしていて
「チャコさん私は着物はスキではないわ」
「エッどうしてですか?」
「着物を素敵に着ることができないのよ、こんな難しいものあなたよく着てるわねそれだけで尊敬する」
「それって褒めてくださってるんですか?」
「いえ、私には出来ないことをしているチャコさんを尊敬するっと言ってるのよ」
「よく理解できない、先生は着物否定者ですか?」
「そうではないのチャコさんがもっと年齢を重ねていたら私の言わんとすることわかってくれると思う」

なんかとてつもない難しいことを言われた気がして色んな角度から着物のことを考える日々が続いた

着物を着始めたときは着方は大丈夫だろうか、この組み合わせは間違っていないだろうかってビクビクしていたように思う
着物を着て玄関を一歩踏み出すのにとても勇気がいった
着方を教わった記憶はなく見よう見真似で着ながら日々改良をしていた

今日は足袋の親指が痛かった
草履の前つぼが指に食い込んで歩きにくかった
半襟の付け方が雑だったらしくシワが寄っていた
着方の手癖だろうか右側の半襟ばかりが多く出て左右均等に半襟が出なかった
詩たまえの裾が長すぎて裾を踏んづけた
裾広がりの着付けになって下半身が太って見えた
などなど

着物に対してマイナスの面反省するところを箇条書きにしてまた大関早苗先生と話す

「先生こういう細かい気に沿わないところが着物にはいっぱいあるので着物はめんどくさいのですか?」
「そういうところは修正していけばいいわけでしょう?かえって楽しいんじゃあないの?修正することで昨日の自分より今日は着物美人と思えるものね」
「なんでしょう?先生着物が嫌いな理由を具体的に教えてくださいよ」
「嫌いではないのよ、こういう様に着たいというイメージが自分の中にあってねそれに近づけない私が居るわけ」
「理想が高いというわけですか?」
「それとも違うのよ」
「先生のお着物姿とても清潔な感じがしますけどね」
「それそれそれがだめなの、美容家としてこういう様に着ようという思いがあるのね。そこを自由にできないもどかしさかしらね。多分チャコさんは今にきっと何もかも突き抜けた着方をすると思う。保証するわ」
「ふーーんそうですかよくわからない」

後年友人の美容家川邉サチコがこの大関先生と同じように「着物を着るのは怖い」と言っていた。しかし私はサチコさんの着物を着た風情が大好きで、大関先生もきっと生きていらしたらサチコさんのような着物姿を見せてくれたのではないかと思う

#着物 #チャコちゃん先生 #川邉サチコ #半襟 #足袋 #草履 #着付け #大関早苗



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