梅雨と香り
先日音楽会に行き後ろに御坐りになった御婦人の香りいや臭いが気になりせっかくの美しき音色を鑑賞する気も起きず早々に失礼してしまった
その方は久しぶりに着用としたらしい訪問着の御着物
着物自体は立派で初代一竹辻が花帯もそれ
しかしケミカルな臭いプンプンそこに湿気を帯びた絹の匂い更に糊の臭い
常に話しているのだけど絹は生き物なので呼吸をさせてほしい
それにはしばしば着て太陽の光線を浴びてほしいし存分に空気を吸わせてあげてほしい
それができない場合はせめて虫干しを
それすらできないと云うなら着物の入った引き出しをお天気の良いカラッとした日に開けて空気を通してほしい
着物に成り代わってお願い
無臭の乾燥剤を入れるのはいいけどケミカル系の虫よけは勘弁
絹が吸い込んだ匂いはなかなか消えることがない
遊びに行っていた銀座のママさんが「お客さんのタバコの煙をあ浴びてその臭いを消すのにどれだけの労力がかかるかを説明してくれたことがある
それは
どんなに遅く帰ってもすぐ蒸氣アイロンを着物にかけて次の朝迄きものハンガーに掛けておく
それでも匂いが消えない場合は悉皆屋さんで乾燥をしてもらう
そうすると100%匂いは消える
人前に出る人はここまでの努力が必要なのだ
タバコをやんわりとお断りするけど難しいのよねと言っていた
絹は何でも受け入れる
タバコはもちろん焼き肉の煙また香水、アルコール にんにくなどなど
着物に限らず絹のものは皆そうだ
ある時着物の整理を頼まれたお宅で乾燥剤の代わりに石鹸が入っていたときもある
他には備長炭 これはいい考えだ匂いを吸収して更に乾燥剤としてもすぐれもの、時々天日干しするといい
その他匂い袋、ぬか袋 香を焚きしめる 引き出しを開けて香をたくのも優雅で合理的 どくだみを乾燥させたのもいいそうだ
タンスは桐に限る 空間に余裕があれば一枚ずつ上質のタトウ紙に入れておくといい
しかし一番早い臭い消しは「着て空気を吸わせること」だね
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